カメラ目線を意識する-オンライン面接時の表情伝達法
こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。
前回のコラムでは、眉で語る-マスク着用時の表情伝達法について解説しました。興味関心、熱意・真剣度は、眉の動きがポイントとなるため、マスクで隠れていない顔上部で完璧に表現でき、笑顔・好印象は、口角の表情は消えてしまいますが、目の周りの表情で表現できるということ、そして、声量を意識しよう、ということでした。
本日は、カメラ目線を意識する-オンライン面接時の表情伝達法について解説します。
最初にお伝えしたいことは、もし、オンラインを通じた面接と、同じ空間を共有して対面で行う一般的な面接のどちらかを選ぶことが出来るならば、対面を選ぶ方が望ましい、ということです。
東北大学加齢医学研究所の榊助教の研究チームが、脳活動の測定を通じて行った実験によると、オンラインでのコミュニケーションでは、会話相手と脳活動が同期しない、ということがわかっています。榊助教は、この状態を、情報のやり取りは出来るものの、「心と心がつながらない」「コミュニケーションになっていない」「ひとりでボーッとしている状態と変わらない」と解説しています。そしてこの原因として、コミュニケーションに欠かせない視線のやり取りが出来ないことと、映像と音声にズレ(通信速度の限界ゆえ)が生じることから違和感が生じることを挙げています。
ゆえに、オンラインではなく、対面面接の方がよい、というわけです。
しかし、どうしてもオンライン面接に臨まなくてはならない場合もあるでしょう。そこで、ポイントを3つに絞り、解説したいと思います。
一、普段より明瞭な話し方と大きな表情、動作で伝える
オンライン画面越しの皆さんの動きは、通信環境により、音や画面が不明瞭になることがあります。そこで、対面での面接よりも、間を気にしながら、ハキハキと話し、大きな表情、大きな動作、例えば、大きく頷く等が、大切です。
二、視線の使い方を工夫する
PCに備え付けのカメラは通常、PC画面の上にあります。一方、皆さんは、PC画面上の面接官の顔や目を見ながら、話をすると思います。このとき、面接官は、皆さんと目線が合わないわけです。面接官は、皆さんから視線が送られてきていない、アイコンタクトがない、そんな意識になります。アイコンタクトのない会話は、良い印象を与えられません、
それでは、PC画面の面接官ではなく、カメラ目線で話せば、面接官に視線を送れるので良いのでは? と思われると思います。しかし、それでは不十分です。面接官の顔を見て伝えよう【基礎編】を思い出して頂きたいのですが、カメラ目線で話し続けてしまうと面接官の様子、表情がわかりません。
そこで、工夫が必要になります。原則カメラ目線でメッセージを受け、伝えつつ、時折、画面に映る面接官の表情を見て、面接官の表情変化に応じて、会話を調整できるように意識して下さい。
何だか凄く難しく聞こえるかも知れませんが、何度か実践するうちに慣れて来ますので、意識してみて下さい。意識なくしては、何事も始まりません。
三、ある程度緊張感を醸成できる環境を用意する
自宅からより、有料でも通信環境が揃った静かな場所、例えば、レンタルスペースなどを借り、オンライン面接に臨む方が望ましいです。なぜなら、自宅はリラックスする場なので、緊張感に欠ける恐れがあります。私たちは、ある程度緊張感がある状態の方が、パフォーマンスを発揮しやすいのです。リラックスして、ややもすると、だらけてしまい、面接で伝えるべきことを忘れてしまったり、普段の会話のようになってしまったりと、失敗の要因となり得ます。
どうしても自宅からオンライン面接に臨まなくてはならない場合、背景をCGで変えるにしても、カメラで映らない場所含め、誰に見せても恥ずかしくないように、整理整頓しておくことが大切です。私たちの気持ちは置かれた環境に影響を受けるため、環境が整然としていると気持ちもシャキッとするのです(某有名監督は、診療所のシーンを撮影するとき、カメラに映らない場所、例えば、薬棚の中に本物の薬を入れるなどをし、環境をリアルに整えたと言います)。
また、自宅のリラックスモードから面接の緊張モードに瞬間的には切り替えられませんので、面接前に発声したり、熱いシャワーを浴びたり、軽く運動したり、自宅周辺を軽く散歩したり、「カチメン!」で最終チェックしたりして、自律神経を刺激し、身体の覚醒水準を高め、テンションを上げておくとよいでしょう。
ではでは、練習頑張って下さい。