→ 店舗来場者が少なかった
2. なぜ、店舗来場者が少なかったのか
→ 急に寒くなって出かける人が減ったから
3. なぜ、出かける人が減ると売り上げが下がるのか
→ スマホはECより実店舗で売れるタイプの商品だから
4. なぜ、スマホはECより実店舗で売れるのか
→ 使い勝手を確認したい方が多いから
5. なぜ、スマホの購買者は買う前に動作確認をしたいのか
→ 高い買い物で失敗すると不安だから
と、問いかけるだけで見事にビジネスチャンスが明確になりました。
使い勝手さえわかればスマホはネットでも買ってもらえることや、高い買い物で「失敗したくない」心理を乗り越えることがどの購買ルートでも大事である、ということが判明したのです。
ところが、この5回のなぜを素人がやると、こうなります。
1. なぜ、今週のiPhoneが売れなかったのか
→ 店舗来場者が少なかった
2. なぜ、店舗来場者が少なかったのか
→ 私の集客技術が至らないから
3. なぜ、私の集客技術は至らないのか
→ 私が無能だから
4. なぜ、私は無能なのか……。なぜ……。
と、このように自責を始めてしまうのです。
本来は仕組みの改善点を出すための「なぜ」の問いかけが、単なるセルフ・パワハラになってしまう。
こうなると自己分析どころか、ウツになってしまいます。
同じように、自己分析でも「なぜ?」と5回問いかけると、
1. なぜ、私は大学時代にアルバイトをしたのか
→ 暮らすためのお金が足りないから
2. なぜ、暮らしていくお金が足りないのか
→ バイトの時給が安いから
3. なぜ、バイトの時給が安いのか
→ 私が無能だから……
と、ウツウツした結論を出したくなります。
ですから、訓練されていない状態で「なぜ」を5回問いかけるやりかたは望ましくないのです。
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「なぜ」の代わりに「どんな役割を担ってきたか」問いかけよう |
では、「なぜ」の代わりに何を自己分析で考えるべきか。
答えは「どんな役割を担ってきたか」です。
・ あなたは、小学校でどんな役割を担うことが多かった?
・ あなたは、中学校でどんな役割を担うことが多かった?
・ あなたは、高校で……。
と、自分が担ってきた役割を問えば、すぐに「自分がチームのなかでどう動くタイプか」がわかります。
たとえば個性が強いメンバーの間に入って仲裁をすることが多かったなら、自己PRへ「私は仲裁が得意です」と書けます。
他にも、そっと見えないところで議事録を取ったり雑用をこなしたりしてチームを支えてきたなら「私は、落ちそうなボールを拾える人です」と自己PRできます。
さらに「私はこれまでの人生で、人をそっと後ろから支える仕事をしてきました。就職後も同様の役割を担いたいというのが、就活の軸です」と答えることができるようになります。
もっと言えば「そんなときに貴社を見つけ、貴社がまさに業界で後方支援を担当する法人だと思い、応募いたしました」といえば、メッセージに一貫性が持てます。
よく、自己PRでリーダーシップ経験を書けと言われますし、書きたがる方も多くいます。
しかし、組織の中で、全員がリーダーである必要はありません。自分のこれまでに担ってきた役割を振り返るだけでも、自己PRや就活の軸は作れます。
まずは自分の過去を振り返って「どんな役割が多かった?」と振り返ってみましょう。