表情分析官が質問に答えるコーナー(^^♪
こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。
本日のコラムでは、学生の皆さんから頂いた相談や質問にお答えしたいと思います。早速、行きましょう~!
質問1 面接官が3人など複数人出てきたとき目線を誰に合わせればよいでしょうか?
原則的には、質問をしている面接官に目を合わせましょう。質問している面接官とコミュニケーションをしているわけですので、その面接官とアイコンタクトをするのが自然です。ただ、他の面接官もあなたの話を聞いているわけですので、ある程度、目線を送ります。「ある程度」の厳密な基準はありませんが、概ね、質問している面接官に6~8割、その他の面接官に2~4割程度目線を送ると良いでしょう。なお、目線と書いていますが、文字通り目だけを動かすのではなく、顔も面接官の方へ向けましょう。また、他の面接官があなたを見ていなくても、目線を送ります。目と目が合わなくてもよいです。面接官の方へ顔が向けば、声がその面接官の方へ届くので、それで御の字です。完璧に出来なくとも、「全員にメッセージを届けたい」という気持ちが大切です。
質問2 オンライン面接でカメラを見るべきか、画面を見るべきかわかりません。教えて下さい。
カメラも画面も見るべきです。アイコンタクトのない会話は、心がつながっていない、そんな気持ちになることがわかっています。ですので、意識的にカメラを見て話し、面接官に目線を送ることが大切です。しかし、カメラだけを見ていると面接官の様子がわかりません。面接官が「話がよくわからないな」「質問したいな」「その話、面白い!」と思って表情に表していても、気づくことが出来ません。したがって、原則カメラ目線でメッセージを受け、伝えつつ、時折、画面に映る面接官の表情を見て、面接官の表情変化に応じて、会話を調整できるように意識して下さい。より詳しくは、コラム「カメラ目線を意識する-オンライン面接時の表情伝達法」を読んで下さい。
質問3 集団面接で他の人が話しているとき、どんな表情をすべきですか? うなずいたほうがいいですか?
ディスカッションなどが出来るように他の就活生の顔が見えるように座席が配置されていれば、表情とうなずきで、発言者の就活生の顔を見て、その言葉に反応すべきです。表情とうなずきは会話のシグナルとして機能します。眉を引き上げる、あるいは/かつ、うなずくことで「聞いていますよ」「そのまま話を続けて下さい」「納得です」というシグナルを、眉を引き下げる(あるいは/かつ、首をかしげる)ことで「話がわかりません」「納得できません」「私にも発言させて下さい」というシグナルを相手に伝えることが出来ます。他の就活生と横並びに座っている場合は、他の就活生にシグナルを伝えることは出来ません。ですので、表情理論的には真顔でもよいのですが、他の就活生の話をよく聞こうとすれば、勝手に表情やうなずきが起こると思いますので、自然に振舞うのが得策です。ただ、面接官に「今の方の意見についてどう思いますか?」など意見を振ってもらいたいと思う場合、他の就活生が話をしている最中、ややうつむき、目線を下に落とし、眉を引き下げ眉間にしわを寄せる表情をしてみて下さい。「話がわかりません」「納得できません」「私にも発言させて下さい」というシグナルを面接官がキャッチしてくれる可能性が高まります。
質問4 笑顔や話すスピードを意識すると話す内容が飛んでしまうので、アドバイスが欲しいです。
自転車の運転と同じです。最初は色々意識しながらぎこちない運転しか出来ませんが、練習するうちに意識していたものを意識せずに、スムーズに運転できるようになることを経験していると思います。理論を理解したら、心身にしみ込ませる思いで、練習、練習、そして練習です。
質問5 表情や印象面での明るさがあれば、動画面接では通りやすいというデータがあるのか知りたいです。
オンラインでの就職面接場面を想定した辛島教授の実験(辛島光彦, ”オンライン面接時の被面接者の顔表情が面接者の印象に与える影響に関する研究”, 人間中心設計, 18(2),pp.1-7 (2022))によると、
①笑顔は、無表情に比べ、良い印象と評価される
②面接の前半で無表情、後半で笑顔に変わると良い印象と評価される
③面接の前半で笑顔、後半で無表情に変わると良い印象と評価されない
ということがわかっています。このことから、オンライン面接中、笑顔は基本。ただし、笑顔で始まった面接が途中で無表情に変わり面接を終えると、良い印象にならない。また、最初は緊張して無表情になってしまっても最終的に笑顔で終えることが出来れば、良い印象を残すことが出来る。こんなふうに言えるでしょう。
以上です。その他、相談・質問があれば、お問い合わせ下さい。
ではでは、練習頑張って下さい。