一方、面接官の口がきつく閉じられれば、あなたの話を「考えたい」ということを意味しているので、話はストップ。
口が開くか閉じるかを見て話す内容を調節することで、面接官のニーズを満たすことが出来ます。
面接官のあごの力が抜け、開かれる表情は、興味関心を意味します。体内に空気をとり込むが如く、あなたの話をもっととり込みたい、「知りたい」のです。
面接官の口がきつく閉じられる、もう少し具体的に書くと、唇が上下からプレスされたり、唇が巻き込まれたりする表情は、熟考を意味します。
とり入れた情報を咀嚼中なので、これ以上の情報は「待った」、「考えたい」のです。
あごの力が抜け、開かれる表情と唇が上下からプレスされる/唇が巻き込まれる表情
前回のコラムと併せて読むとわかりますが、あごの力が抜け、開かれる表情と眉が引き上げられる表情は共に興味関心を意味し、口がきつく閉じられる表情と眉が中央に寄り引き下げられる表情は共に熟考を意味します。
ですので、コミュニケーション上の解決法は同じになります。
ところで、面接官の表情変化に応じて話す内容を調節するということは、「話す内容を事前に準備することは当然としても、準備したことを場合により全ては話さない、そんなこともあるのでは?」と思われるかも知れません。
スルドイ。その通りです。
準備した想定問答をそのまま読み上げるような回答をするならば、面接などする必要はないのです。
想定問答で済むなら、就活生にレポートとして提出してもらえばよいのです。
そうではなく、わざわざ同じ時間を共有し、直に話を聞くにはわけがあるのです。
それは、想定問答だとしても、その回答にどんな気持ちが込められているか、想定を超えた質問にどう反応し、どう答えるかを見たいのです。
成績優秀な営業員は、商品説明をする際、お客様の表情等の反応に応じて、説明を変えます。
セールスポイントが5つあるとしても、全部を同等には説明せず、お客様の興味関心度合に応じて、説明の濃度を変えます。
場合によっては、全て説明することでお客様をうんざりさせることもあれば、お客様の興味関心度の高いセールスポイントを1つ、2つ説明するだけで、効率よく販売に導けることもあるのです。
重要なことは、自分が話したいことを話すのではなく、お客様が聞きたいことを話す、ということなのです。
この優秀な営業員に倣うのです。完璧にいかなくとも、近づく努力をするのです。
例えば、想定問答を作際、核となるメッセージは同じでも、1・3・5分バージョンを用意しておき、面接官の興味関心が高いようなら、5分バージョンを話すことになるかも知れません。興味関心が低いようなら、1分バージョンで終わりかも知れません。
「3分、5分バージョンも作ったのに、話さないなんてもったいない」「アピールするために全部話したい」という気持ちをグッと堪えて下さい。面接官が聞きたくないことをアピールしても逆効果です。
柔軟に、かつ、自信を持って対応できるように下準備をしっかりしましょう。ではでは、練習頑張って下さい。
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