面接官の顔を見て伝えよう【応用編】
こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。
前回のコラムでは、面接官の顔を見て伝えよう【基礎編】について解説しました。面接官の眉が引き上げられれば、あなたの話を「知りたい」ということを意味しているので、話を進める。一方、面接官の眉が中央に寄り引き下げられれば、あなたの話を「考えたい」ということを意味しているので、話はストップ。質問を促したり、丁寧に話したり、間を置くことが重要、ということでした。
本日は、面接官の顔を見て伝えよう【応用編】について解説します。
前回の眉に慣れてきたら、面接官の口にも注目できるとよいです。ただ、眉を見ることに比べて、口を見ることは難しいでしょう。顔文字を想像して下さい。「笑う」と「泣く」は、顔文字でどう表現しますか。
笑う… ^_^
泣く… >_< ;_;
あるいは、
笑う… :-) :-D
泣く… :-(
と表現しましたでしょうか。
上段は日本の顔文字で、下段は英語圏の顔文字です。よく見ると気づくことがあります。日本の顔文字は縦に見る。英語圏の顔文字は横に見る。それだけじゃありません。日本の顔文字は目が変化し、英語圏の顔文字は口が変化しています。
これは、日本人と英語圏の人々の間にある、表情を見るときの差です。北海道大学の研究チームによって、「日本人は目を、アメリカ人は口元を見て、人の表情を判断する傾向にある」ということが実証されています。ですので、口はしっかり意識しないと目に入らない可能性があります。眉だけで「いっぱい、いっぱい」という就活生は、前回扱った眉の観察だけでも十分コミュニケーション力は高められますので、眉の観察と話す内容の調整を極めて下さい。「まだまだ、大丈夫!」という就活生は、面接官の口にも注目してみて下さい。
結論から書きますと、面接官のあごの力が抜け、開かれれば、あなたの話を「知りたい」ということを意味しているので、話を進める。一方、面接官の口がきつく閉じられれば、あなたの話を「考えたい」ということを意味しているので、話はストップ。口が開くか閉じるかを見て話す内容を調節することで、面接官のニーズを満たすことが出来ます。
面接官のあごの力が抜け、開かれる表情は、興味関心を意味します。体内に空気をとり込むが如く、あなたの話をもっととり込みたい、「知りたい」のです。
面接官の口がきつく閉じられる、もう少し具体的に書くと、唇が上下からプレスされたり、唇が巻き込まれたりする表情は、熟考を意味します。とり入れた情報を咀嚼中なので、これ以上の情報は「待った」、「考えたい」のです。
あごの力が抜け、開かれる表情と唇が上下からプレスされる/唇が巻き込まれる表情
前回のコラムと併せて読むとわかりますが、あごの力が抜け、開かれる表情と眉が引き上げられる表情は共に興味関心を意味し、口がきつく閉じられる表情と眉が中央に寄り引き下げられる表情は共に熟考を意味します。ですので、コミュニケーション上の解決法は同じになります。
ところで、面接官の表情変化に応じて話す内容を調節するということは、「話す内容を事前に準備することは当然としても、準備したことを場合により全ては話さない、そんなこともあるのでは?」と思われるかも知れません。
スルドイ。その通りです。
準備した想定問答をそのまま読み上げるような回答をするならば、面接などする必要はないのです。想定問答で済むなら、就活生にレポートとして提出してもらえばよいのです。そうではなく、わざわざ同じ時間を共有し、直に話を聞くにはわけがあるのです。それは、想定問答だとしても、その回答にどんな気持ちが込められているか、想定を超えた質問にどう反応し、どう答えるかを見たいのです。
成績優秀な営業員は、商品説明をする際、お客様の表情等の反応に応じて、説明を変えます。セールスポイントが5つあるとしても、全部を同等には説明せず、お客様の興味関心度合に応じて、説明の濃度を変えます。場合によっては、全て説明することでお客様をうんざりさせることもあれば、お客様の興味関心度の高いセールスポイントを1つ、2つ説明するだけで、効率よく販売に導けることもあるのです。重要なことは、自分が話したいことを話すのではなく、お客様が聞きたいことを話す、ということなのです。
この優秀な営業員に倣うのです。完璧にいかなくとも、近づく努力をするのです。
例えば、想定問答を作際、核となるメッセージは同じでも、1・3・5分バージョンを用意しておき、面接官の興味関心が高いようなら、5分バージョンを話すことになるかも知れません。興味関心が低いようなら、1分バージョンで終わりかも知れません。
「3分、5分バージョンも作ったのに、話さないなんてもったいない」「アピールするために全部話したい」という気持ちをグッと堪えて下さい。面接官が聞きたくないことをアピールしても逆効果です。
柔軟に、かつ、自信を持って対応できるように下準備をしっかりしましょう。ではでは、練習頑張って下さい。
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