こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。
前回のコラムでは、自分なりの意見の作り方について解説しました。自分なりの意見を伝えるには、自分の主張(質問に対する回答、自分の意見など)+行動・体験+行動・体験の解釈、という3点を意識して話すこと。行動・体験の解釈が、あなたの感情に関わる部分であり、物事の考え方、捉え方。ゆえに、よくある体験・出来事でもオリジナルな話になる、ということでした。
本日は、面接本番前に心身を整える方法について解説します。
以前、「緊張への処方箋」コラムで、緊張への対処方法について解説しました。心の持ちようを変えるマインドコントロールと緊張するときの動きを制御するフィジカルコントロールを駆使することで、緊張を乗り越えよう、ということでした。
本日は、姿勢についてです。
表情と同じく、姿勢と感情にも関連があります。元気のあるときどんな姿勢になっていますか? 逆に、元気のないときはいかがでしょうか? 自身の経験からも実感できると思いますが、キャンパスを歩く友人の様子をみて、「何か良いことあったのかな」「元気なさそうだな」など思うことを日々経験されているのではないかと思います。
緊張すると、身体に余計な力が入り、呼吸が浅くなる。自信がないと、うつむきがちになり、肩が落ち、背筋がまがる。これでは、どんどん気が重くなる。
緊張しているときこそ、自信がないときこそ、フリをするのです。身体に気持ちが乗っているフリをさせるのです。
具体的には、スタンスを広くとり、肘が胴体の外側に張るよう腰に手を添え、胸を張る、こうしたなるべく身体を大きく見せる姿勢を行う。この姿勢をリーダー姿勢といいます。
一方、リーダー姿勢とは逆の姿勢、スタンスを小さくし、肩を落とし、うつむく。身体を小さく見せる姿勢。これをフォロワー姿勢といいます。説明するまでもありませんが、この姿勢をしていると気分が落ち込んで来ませんか?
このリーダー姿勢を、自宅を出る直前や面接会場近くのトイレの個室などで行ってみるのはいかがでしょうか。あるいは、面接で自分の順番を待っているとき、面接中も、胸を張る、なるべくうつむかない、ということを意識してみて下さい。特に、面接中に胸を張っていれば、自分の気持ちを高められるだけでなく、自信ある印象を面接官に与えることが出来るでしょう。
この話ですが、既視感ありませんか?
そうです、「表情フィードバックを活かした感情の育み方」の話と同じなのです。
今回の話は、表情ではなく、身体ですので、身体フィードバックといいます。
身体の形を整えることで、身体の形に合った感情が生まれる。
感情が生まれることで、感情に合った身体になるのです。
リーダー姿勢を面接本番直前に行うだけでなく、毎朝の習慣にしてももちろんよいでしょう。逆に、フォロワー姿勢が習慣になっていないか注意して下さい。そんな姿勢をしていたら、身体に染み付き、心も沈んでしまいます。
「作業興奮」をご存じでしょうか。集中力ややる気は何かに取り組んでいるうちに出てくるもの。就職活動の一貫でTOEICなどの勉強をしている就活生もいるかも知れません。「何だか気が乗らないな」と思っていても、単語を書いたり、短文を音読していたりするうちに、やる気が高まってくる。そんな経験あると思います。
身体フィードバックは、これに似ています。気持ちが乗らないなら、形から。はじめから完璧に、丁寧な気持ちが準備万端ではなくてよいのです。
就活を準備する中で、「自分なんて社会に必要ないのでは?」なんて思ってしまっていませんか? 自分に自信がない、そんな就活生こそ、毎朝起きたら、顔を上げ、空を見上げてみて下さい。リーダー姿勢をとってみて下さい。日々の始まりに春の予感を感じられるかも知れません。
ではでは、練習頑張って下さい。次回は、面接官の顔を見て伝えよう【基礎編】について解説したいと思います。