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就活コラム

自分なりの意見をどうつくる?~感情心理学的オリジナルメッセージのつくり方~

こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。

前回のコラムでは、「笑顔の伝え方【応用編】」について解説しました。原則、ポジティブな言葉に合わせて、あるいは、ポジティブな状況・帰結をアピールしたいとき、口角と頬を引き上げることで、長いセリフの中でも効果的に笑顔を伝えられる、ということでした。

本日は、自分なりの意見の作り方について解説します。

就活生が頭を悩ます、自分なりの意見。自分オリジナルな意見ということから、「何か特別な活動を話さなければいけない」「他の人が体験したことのない話をしなくてはいけない」そんなふうに思う人もいるかも知れません。

これは誤解です。特別で稀有な体験があれば、話しても話さなくてもよい。面接のために、急いでそうした活動を探し、しなくてもよい。つまり、至って普通の体験でよいのです。皆が体験することでよいのです。重要なのは、「その体験に何を感じ、その体験から何を学んだか」という視点です。

同じ体験でも感じ方は人それぞれです。例えば、アルバイトで先輩に注意された。自分の弱点を指摘してもらえ、「ありがたい」と感じる人もいるでしょう。あるいは、先輩の言い方に反発を覚え、「自分が後輩を注意するときは、先輩の言い方はやめよう」と思う人もいるでしょう。

体験した出来事にどんな感情で反応するか。それが、あなたの個性を反映するのです。面接官は、それが知りたいのです。あなたという個性が、この会社に合うかな、どの部署に合うかな、どんな仕事だと活き活きするかな、面接官は、そんなことを考えています。そんなことをあなたの感情の抱き方から把握しようとしているのです。

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具体的にみていきましょう。お馴染みの場面とセリフです。

面接官に「仕事をする上で大切だと思うことは何ですか」と質問される場面を想像して下さい。あなたの返答は次の通りとします。

「共感力だと思います。居酒屋でアルバイトをしていたときのことです。満席のため、予約なしで来店されたお客様に入店をお断りしなくてはいけないことがありました。そのとき、残念そうなお客様の気持ちが凄く伝わって来たのです。そこで、私は、お客様のその気持ちが少しでも解消できないかと思い、「すみません。ただいま満席です」という必要十分な言葉だけでなく、予約のしやすい曜日や予約なしでも入りやすい時間帯をお伝えさせて頂きました。それでもお客様は残念そうなお顔でしたが、少し微笑んで、「じゃあ、また来るよ」とおっしゃって頂けました。数日後、そのときのお客様が、「今度は予約して来ましたよ」と嬉しそうなお顔で来店されました。急いで別の店を探そうとしているお客様だったら、必要十分な言葉を伝えればよかったと思います。しかし、「このお店で食事を楽しめず残念だ」と思っていた可能性のあるお客様には、その気持ちを汲む、お客様の希望が実現できるような言葉を伝えられたのが正解だったと思っています。「相手の立場に立って考える」という言葉をよく聞きますが、この体験から「本当にそうなんだな」と心から実感し、大切にしていきたいと思うようになりました」

太字になっている部分が、あなたの感じ方、体験に対する感情です。面接で受け答えするとき、原則的に、自分の主張(質問に対する回答、自分の意見など)+行動・体験+行動・体験の解釈、という3点を意識して話して下さい。

例文で説明すると、「共感力だと思います」が、自分の主張です。居酒屋でのアルバイト経験が、行動・体験です。太字のところが、行動・体験の解釈です。この行動・体験の解釈が、あなたの感情が動く場面であり、あなたの個性がにじみ出るところです。

別の例でもみてみましょう。
面接官に「意見の食い違いが起きたときに何を重視して解決を目指しますか」と質問される場面を想像して下さい。あなたの返答は次の通りとします。

「意見の違う相手の想いを尊重しながら、解決案を模索することが大切だと考えています。アルバイトで塾講師をしていたときのことです。生徒のテキスト選定にあたり、他の講師と意見が異なり…略…そこで生徒の成績とテキストとの関係をデータ化し、自身の正当性を通そうとしたところ、「それでも納得できない」と言われてしまいました。そこで…略…ということがありました。この経験から、相手の想いをよく聞いた後に初めてデータで議論することが出来るのだということを学びました。どんなに自分が正しいと思っても、実際に正しいとしても、まずは相手の意見をしっかり聞き、ちゃんと理解を示すことが本当に大切なことなのだと思いました」

「相手を尊重し、解決策を模索する」という自分の主張、アルバイト経験という行動・体験、そして、太字部分、行動・体験の解釈となります。

では、もう一つ。

面接官に志望動機を質問される場面を想像して下さい。装飾品のブランドメーカーの面接に望むあなたの返答は次の通りとします。

「御社の作品に対するデザイナー・作り手・スタッフなど関係者全ての方々が醸し出す想いの一体感に自分も加わりたいと思ったからです。御社の説明会で伺ったデザイナーの哲学に感銘を受けたのがきっかけです。デザイナーの著作だけでなく、作品に関する書籍も全て拝読しました。また店舗にも足を運び、作品を観察させて頂き、スタッフの方々とも…略…ということです。デザイナーの想いが作品だけでなく、スタッフの皆様の言葉にも随所に投影され、本当に驚きました。そして次第にその空間に居心地の良さを感じる自分を発見しました。私は本当に御社の皆様が創り上げる空間が好きなのだと感じています。ぜひ御社のメンバーに入れて下さい」。

「想いの一体感に自分も加わりたい」という自分の主張、説明会参加・読書・作品との触れ合い等の行動・体験、そして、太字部分の行動・体験の解釈です。

ここで質問です。この3つの回答例を読んでいて、この人物のキャラクターが浮かんできませんか?この就活生は、どんな人物か?どんな個性を持っているか?

そう、共感力のある人物

この回答例の人物は、様々な出来事に対し、共感力を発揮している。個々の出来事は違いますが、最終的には、共感という気持ちで、視点で、物事を受け止め、捉え、解釈する。

これまで体験してきた様々な自分の行動・出来事にどんな感情を抱いたか、よくよく熟慮してみて下さい。そこに見出される共通項は、何でしょうか。共通する感情は何でしょうか?それがあなたの個性であり、オリジナルな意見なのです。

ではでは、練習頑張って下さい。次回は、面接本番前に心身を整える方法について解説したいと思います。

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