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就活コラム

スターバックス新CEOの経歴から人材としての市場価値の高め方を考える

某コンサル会社最年少役員でカチメン!就活コラム担当のなかぴーです。

弊社の新卒採用責任者としても活動しており、中途、新卒どちらの面接も数多く行ってきております。

今回は面接対策ではなく、時事ネタを通じてキャリア形成についての考え方を皆さんに共有してみたいと考えています。

2024/9/1より、スターバックスのCEOにブライアン・ニコル氏が就任しました。

誰もが知る超大手企業の社長とあって、自身のキャリアと結び付けて考え難いかもしれませんが、他者から選ばれてその役職に就いて給料を受け取っているという点では、彼も一種のサラリーマンと言えるかもしれません。

まだ馴染み難いと思いますのでもう少し安心できる情報をお伝えすると、彼の最初の仕事はP&Gという消費財メーカーのいちマーケティング担当からスタートしています。
(P&G社のマーケティングは非常にレベルが高いということは有名ですが、それでも多少身近には感じられるようになったのではないでしょうか)

今回は、そんな彼がどのようにキャリアを積み上げてスターバックスの新CEOとして年俸最大約150億円を受け取るまでになったのかを追いながら、人材の市場価値について考えていきたいと思います。

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まずは彼の経歴を追ってみましょう。

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消費財メーカーのマーケティング職からキャリアをスタートさせた後に、MBAを取得し経営学や会計の知識を得ることに一度時間を費やしました。

その後はMBAで得た知識とマーケティングの実務経験を活かし、ヤム・ブランズグループ傘下 ピザハットのマーケティング責任者の職に就いています。
そこで経営幹部としての業務経験を獲得し、同ヤム・ブランズグループ傘下 タコベルのCMOに抜擢された後、CEOまで任されることとなります。

タコベルでは、当時拡大しつつあったソーシャルメディアやデジタルマーケティングを活用したプロモーションを積極的に活用し、成功を収めます。

その後、食中毒問題等で業績が低迷し苦戦していたチポトレ社のCEO職の募集広告を見た彼は、自身の経験を活かしチポトレの改革に挑戦したいと応募し、チポトレのCEOとなります。
チポトレでは専門のマーケティングのみならず、タコベルでのCEO経験も活かして広範囲な改革に取り組みます。

特にブランドイメージを毀損していたチポトレを立て直すべく、ブランド価値の見直しを行い、そこに紐付く改革を推進していきました。
それらの改革の成功と、コロナ禍でも業績を伸ばした経営手腕を認められ、今回スターバックスのCEOとして抜擢されることとなります。

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彼の経歴を見て私たちが学べることとしては、大きく3点のポイントがあると考えています。

ビジネスモデルが似た業界の中で経験を積み重ねることで、業界知見を蓄える
専門的に伸ばす「業務」スキルを設定し、そこを中心として周辺の業務スキルへと専門範囲を拡大させていく
技術的なイノベーションが加速している領域で専門的な業務スキルを伸ばす


以下の図は外食業界のバリューチェーン(価値創造の流れ)を書き表しています。
赤く色付いている範囲は彼がMBAを取得した後にピザハットに参画したタイミングの彼の業務スキルの範囲を表しています。

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集客を主要な専門スキルとしつつ、MBAで学んだ知識を活かし、マーケティング責任者の職に就いています。

この段階では経営や会計に関する実務経験はまだ積めていないため、マーケティング責任者としてのポジションに留まっています。

 
そしてこちらの図は現在の彼の業務スキルの範囲へと更新したものになります。

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マーケティング責任者として経営の実務にも関わった後に、CEOとなり経営、会計の範囲にも経験と実績が積み上げられています。

また、CEOとして会社全体の改革に取り組んだことによって、元々は専門範囲外であったITの範囲や、ITを通じて効率化を推進した調理、提供の範囲にも業務スキルが拡大しています。

専門的な業務スキルを獲得していく際に重要なのは、知識→経験→実績と積み上げていくことです。

知識だけがあっても残念ながらビジネスの世界で評価は得られません。
ただし、経験を積むチャンスを掴むためには、知識をつけて準備しておく必要があります。

知識を付け、経験を積み、実績を生み出して初めてビジネスの世界でアピールできるだけの専門的なスキルとなります。

この流れはよく理解しておきましょう。

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彼の輝かしい経歴については、彼の才能や努力によるところが大きいのはもちろんですが、

3つ目のポイントとして挙げている技術的なイノベーションがマーケティング(集客)の領域で加速していたという時代背景も影響していると私は考えています。

ソーシャルメディアの拡大、会員アプリを活用したマーケティング手法の普及、モバイルオーダーやデリバリーサービスの普及といった革新が業界全体で起こり、
これらへの早急な対応が企業成長の命運を分けるというタイミングであったため、

調達・加工・物流等の専門性を持つ経営人材ではなく、集客に専門性を持つ彼がCEOへと抜擢されやい環境が整っていたというのも一要因であると言えるでしょう。



皆さんもこれから社会に出てそれぞれのキャリアを形成していくことになりますが、彼の経歴を参考に、
専門的な業務スキル業界知見の獲得を戦略的に考えてみていただければ幸いです。

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