営業に求められるコミュ力を左右する要素:接点を持つ顧客の数と取り扱い商材の単価 |
就活生の皆さんでも、営業にはルート営業と新規開拓営業の2種類があることはもうご存知かと思います。
完全に2種類に区切られるのではなく、ルート営業をやりながら新規開拓も行う場合がほとんどで、どちらの比率が高いかで判断するのが一般的です。
ルート営業は既に取引のある顧客に対して営業を行うため、新規開拓と比較すると接点を持つ人の数は限られます。
特に、1社に対して高額な商材を販売したり、大量のロットで販売する場合は担当する顧客の数も少なくなりますが、その分その顧客との関係性を深めることが非常に重要になってきます。
大手広告や商社、建設、不動産業界等に接待が多いのはこのためです。
顧客から求められれば、プライベートでの付き合いも積極的に行うという営業マンが多いです。
単価が低いルート営業の場合は、配達も同時に行うようなケースも増えてきます。
飲食店向けの食材や酒類の営業、清掃用具のレンタル等がイメージしやすいでしょう。
日々の事業運営にとって必需品となる物を扱っているケースが多いため、ミスなく仕事を遂行できる真面目さや誠実さがある方が活躍しやすい環境といえます。
対して、新規開拓営業は日々新しい方々と顔を合わせることになります。
就活生の皆さんからすると、最もコミュ力が必要だと感じられやすい営業職だと思います。
しかしながら、5回前後の商談を行う中で会話できる内容には限りがあるため、踏み込んだプライベートの話になることは少なく、ほとんどがある程度定型化された業務に関する話になります。
そのため、いわゆる日常会話の中で求められるコミュ力は新規開拓営業ではさほど重要ではなく、説得力や初対面の相手にも怖気付かない度胸(ある程度経験すれば慣れますが)が重要です。
単価の高い商材を新規開拓で販売する場合、5回程度の商談の中で顧客の課題をヒアリングし、自社サービスの活用方法を顧客企業の複数名とすり合わせ、他社サービスよりも適した選択であることを証明するということを行わなければなりません。
信頼のおける人間だと認められないと会社の課題を話してもらえませんし、説得力がないと複数名の顧客の意見を取りまとめて決着をつけることができません。
そのため、会話の面白さや話しやすさ以上に信頼のおける振る舞いや、論理性・説得力等が求められることが特徴です。
単価の低い商材の新規開拓営業の場合は、テレアポや飛び込み営業、もしくは店舗型ビジネスの店頭スタッフのようなイメージになります。
一日に10名以上の方と新たに知り合い、その1回の接客で販売に繋げる必要があるため、瞬時に顧客との距離を詰める能力が求められます。
営業に求められるコミュ力を左右する要素:業界の成熟度 |
業界の成熟度によっても営業に求められるコミュ力の種類が変わってきます。
結論からお伝えすると、業界の成熟度が高い程人として好かれることの重要度が増し、成熟度が低い程(≒新たな業界)論理性や説得力が求められる傾向にあります。
このようになる理由は2つあり、1つは業界の成熟が進む程に企業毎の商材のクオリティや機能の違いが少なくなっていくため、どの会社から買っても大きな差分がない状態となり、顧客の意識が「好みの営業マンから買おう」となりやすいため。
もう1つは、業界の成熟が進む程、顧客もその商材の選び方に習熟し、営業マン毎の知識の差が顧客にとって重要でなくなるため、知識量や論理性以上に人として好みか否かが重視されるようになるためです。
そのため、新たな業界かつ高単価商材で新規開拓を行うような営業職であれば特に論理性や説得力を強く求められますし、成熟した業界かつ高単価な商材でルート営業を行う場合はきめ細やかな気遣いで顧客に好かれるための行動を徹底して行えることが求められます。
ここまで職種や業界によって求められる「コミュ力」の違いについて整理してみましたが、志望する仕事のイメージは深まりましたでしょうか?
ここで言及したことはあくまで「傾向」ですので、実際に志望する企業には本記事の内容を参考にしつつ質問をしてみても良いと思います。
この記事が皆さんの職業選択に役立つことを願っております。