自己分析で性格診断を使うな!? 16タイプ診断やストレングスファインダーの落とし穴
こんにちは、カチメン!就活コラム担当のトイアンナです。
就活の自己分析で、何から始めたらいいかわからないという方が、手っ取り早くやりがちなのが性格診断です。
特に16タイプ診断は大人気で、SNSのプロフィールにも書いている方が多数見られます。
ところが、この自己分析を性格診断で行うのは「危険」なのです。
● 自分が思う自分と、他者が思う自分は異なる
「自分が思う自分」と、他人から見た自分って、ギャップがあると思いませんか?
たとえば、私が主に使うSNSはXです。
そして、Xを経由してお会いした方にはほぼ100%の確率で「思ったより怖い人じゃなくてよかった」と言われます。
つまり、私のXは怖いわけです。
しかし、私自身は当然そう思っていません。
「Xでも素の自分を垂れ流しているだけなのに、勝手に怖いと思われちゃったよ~」とか思っているわけです。
これが、自己認識と他の方が見た自分とのギャップです。
そして、多くの性格診断は、自分ひとりで回答します。
すなわち、「自分が思う自分の姿」しか反映してくれないのです。
極端な話、自分が外交的でリーダーシップがあると思っていても、周りから見たら「協調性たっぷりの、控えめでおとなしい人」かもしれません。
この自己認識-他者認識ギャップがあるまま面接へ行けば「え、この人ってESで語っていた自己PRと違うタイプじゃない?」と思われて、落とされてしまうのです。
● SPIの性格診断は「自己認識とのギャップ」を分析されている
WebテストのSPIにも性格診断が含まれていますが、実はあの診断では「自分で自分に嘘をついている方」があぶり出されるような質問が入っています。
そして、あまりにも自己と他者認識のギャップが大きな人を、落とすようにできているのです。
私のように就活マニアとしてSPIの性格診断の設問まで対策した人間ならともかく、初見ではこのひっかけに気づかず、つい落とされてしまった……という話は毎年聞かされます。
敵もさるもの引っ搔くもの、我々の自己認識がいかに世間とずれているか、よくご存じなわけです。
しかし、16タイプ診断やストレングスファインダーには、このような「ひっかけ質問」がありません。
そのため、自分で認識している自分の強みだけが表に出てしまうのです。
● 自己分析で性格診断を受ける前にやってほしいこと
とはいえ、ストレングスファインダーや、16タイプ診断「も」優秀ではあります。
特に、「自分なんかに強みなんかない」と控えめに考えてしまう方にとって、強みを探し出してくれるツールは必須ですらあります。
しかし、その前に必ず「ある質問」を自分に投げかけてから、性格診断を受けていただきたいのです。
それは、
「私がこれまでに大した努力をしなくても、褒められたことってなんだろう?」
という問いです。
人には、頑張って強みにできたことと、特に頑張らなくても得意なことがあります。
前者は努力をしつづけなくてはなりませんが、後者は「生きているだけで認められる強み」です。
そして、後者を仕事にすれば、特に努力をしなくても評価してもらえる可能性が高くなります。
● 自分が何もしなくても得意なことを自己PRに書いてみよう
たとえば、私は文章を書くのが得意です。
美しい文章を書く才能はありませんが、こういったコラムなら1日10本でも書けます。
そして、「こんなこと、誰でもできるようなことなのに……」と思っています。
逆に、私はどんなに努力をしても、逆上がりができませんでした。
50m走も12秒と、きわめてどんくさいほうです。自動車の運転免許で、試験に4回落ちました。
しかし、あまり努力しなくてもやすやすと運動ができた子は、小学校のころからいたはずです。
このように、人には努力しなくてもできることがあります。
そして、自分では努力していないので「人から褒められてやっと強みに気づく」のです。
そういった経験を掘り起こしてみましょう。そして、自己PRやガクチカに書くのです。
性格診断はその後にぜひ、試してみてください。