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就活コラム

『最後の鑑定人』表情監修者が解説:ドラマ撮影と仕事の裏側――見えない努力にこそ意味がある

こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。

3回にわたり、就活生・転職者に楽しみながらノンバーバル(表情やしぐさ等の非言語)について学んでいただけるよう、ドラマを題材にし、就活・転職で役立つお話をして来ました。

本日は、番外編。「仕事をする上での心構え」紹介したいと思います。 

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現在フジテレビ系列で放送中のドラマ『最後の鑑定人』は、元科捜研の経歴を持ち、卓越した鑑定スキルを誇る主人公・土門誠(藤木直人さん)と、彼の鑑定所に所属する心理学の専門家・高倉柊子(白石麻衣さん)が、科学的手法を駆使して複雑な事件の真相に迫っていくサイエンスミステリーです。 

高倉は、人の表情やしぐさから隠された嘘を見抜く能力に長けており、私、清水は、劇中で描かれる俳優さんたちの表情や所作、セリフに科学的根拠に基づいたリアリティを持たせるため、専門家監修として関わっています。 

 

ドラマのワンシーンを撮るのに、どれくらい時間がかかるかご存じですか?


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第一話冒頭。公園のベンチに座り、周囲にいる人々を観察する高倉。

自慢話をしながら喉元をさすっている主婦を見て、「落ち着きがなく取り繕っている。あれは嘘」。
電話をしているビジネスパーソンを見て、「足元がソワソワしている。あれも嘘」。
母親に怒られ、言い訳をしている子どもを見て、「体感にブレがない。あれは本当かな」…

いつまでも土を採取している土門先生にしびれを切らし、「先生、もう帰りますよ」と高倉。

このシーンの放映時間は、約2分33秒 

第三話では、太陽ソーイングの黒瀬のもとへ、高倉やホアンの弁護をすることになった相田(迫田孝也さん)、都丸刑事(中沢元紀さん)が事情を聞きに行きます。

ここで高倉は会社にいた技能実習生の表情から違和感を抱いたり、黒瀬の微表情やしぐさから嘘を見抜いたりします。

このシーンの放映時間は、合算して5分強 


実際の撮影時間はどのくらいだったと思いますか?

私はこの撮影現場におり、俳優さんやエキストラの方に演技監修をしていましたので、撮影時間の多くを現場で過ごしました。 
両方とも撮影時間は、午前中から午後に行われ、6時間とか7時間かかっていた思います。

数分の放映時間のためにここまで時間をかけるのです。
さらに、この時間は撮影そのものですので、撮影の準備や撮った映像の編集など含めるともっと時間がかけられているのです。
 

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数分のシーンにここまで時間がかかるのはなぜか


なぜこんなに時間がかかるのか。

カット毎にリハーサルを行い、動きを確認。そして本番。
納得のいく画が撮れるまで同じシーンを撮影し、同じシーン・演技でも角度を変えて撮りなおすからです。

途中途中で演出の微調整が入ります。
「こんなふうにセリフを言って下さい」「今度はこんな表情・動きで出来ますか?」「角度を変えて撮ります」「セリフ若干変更お願いします」等々。
様々な指示に俳優さんやエキストラの方々は臨機応変に応じます。
 

両方の現場とも50人を超えるスタッフさんがいたと思いますが、スタッフも演者も一人一人が有機的に動き、自身の役割を無駄なく全うされていたと思いました。 

 

ドラマの撮影現場から就活生・転職者が学べること


私たちが学べることは何か。
それは、見えない部分の努力であり、準備であり、こだわりです。

例えば、志望動機を用意する際、回答時間を3分と想定します。実際に話す時間は3分に納めます。
むやみに長く話すのはタブーです。

しかし、少なくても十倍は話せる準備をして欲しいところです。
面接官が興味を抱いた点について、広げたり、深めたりするためです。
折角、面接官が興味を抱いても、「これ以上、話す内容はございません」じゃ、受かる試験も受かりません。

営業でも同じです。

お客様にプレゼン出来る時間は5分。
お客様が商品に関心が向いたときに備え、想定時間の十倍程度は、商品に関する知識や類似商品との違いを語れるようにしておきましょう(営業パーソンの場合は、いずれ、お客様が引くくらい話し過ぎないようにすることの方が課題になるかも知れませんが)。 

仕事をする上で効率は大切ですが、効率を求めすぎないことも大切です。
一見、無駄に思えることでもやってみなければ無駄かどうかわかりません。

十分な準備は心に余裕や自信を与えてくれます。
誰も気づかないようなこだわりが、大きな差を生むこともあるでしょう。
 

誰も気づかないようなこだわりと言えば、第三話冒頭で高倉が書籍を並べているシーン。
画面に5冊の書籍が映りますが、手前の書籍3冊は清水の私物です。

「心理学の専門家がリアルに読む書籍をドラマの小道具に使いたい」との要望を受け、お貸ししたものです。
どんな本が並べてあるか、こだわりをチェックしてみて下さい。
 

ではでは、実践を重ねて下さい。 

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