【問題1】「すみません。今、予約でいっぱいなんです。」と伝える際に適した表情は? |
去年の秋、出張で京都と大阪を訪れた際、仕事が終わり、夕食をどうしようかと食べログで近くのお店を調べてみました。
すると、和食が楽しめる、雰囲気の良さそうなお店をいくつか見つけました。
候補を2軒に絞り、予約ができることも確認。
歩いてすぐだったので、予約しなくても大丈夫だろうと思い、そのまま徒歩で向かいました。
1軒目は、お鮨がウリの店。古民家を改装したような雰囲気の店構え。
外から見るとカウンター席に空きがあり、2階にも席があるようでした。
扉を開けて、店員さんに声をかけました。
「いらっしゃいませ~!」 『予約してないのですが、大丈夫ですか?』 「お一人様ですか?」 『はい。』 「少々お待ち下さい。」 |
店員さんは、予約スケジュールを確認するために店の奥に行きました。すぐに戻ってきて、
「すみません。今、予約でいっぱいなんです。」
ここで問題です。
問題1:店員さんはどんな表情でこのセリフを言うのが適切でしょうか?
解説:
このとき、店員さんは②の表情でセリフを言っていました。
鼻にしわが寄せられ、口角が引き上げられる嫌悪と笑顔の混合表情です。
お客さんを迎え入れることが出来ないことから来る嫌悪。そして、嫌悪をマイルドにする笑顔でしょうか。
苦笑という表現がピッタリです。
悪くはないのですが、ベストではありません。
こうした状況のお客さんの気持ちは、「このお店で食事が出来ず、残念」でしょう。
お客さんの気持ちに共感を示すには、③の眉の内側が引き上げられる悲しみ表情がベストです。
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【問題2】「ただ今、ご案内出来ません。」と伝える際に適した表情は? |
気を取り直して、次のお店へ。ここから歩いてすぐです。
2軒目はおばんざいがウリの店。2階が店舗のようで、外から店内が見えます。
席はざっと50席以上あり、お客さんは2組くらい。
出入口の扉を開けましたが、店員さんは出てきません。
「すみません~」と言いながら店内に数歩足を踏み入れたところ、店員さんが現れました。
『一人ですが、良いですか?』 「ただ今、ご案内出来ません。」 |
ここで問題です。
問題2:店員さんはどんな表情でこのセリフを言うのが適切でしょうか?
解説:
このとき、店員さんは①の表情でセリフを言っていました。
口角が引き上げられる笑顔。接客におけるデフォルト表情です。
この状況においては、最も良くない表情です。
目が笑っていないからダメというのではありません。
問題1の解説で書いたように、お客さんは残念なのです。
「私が、ここで食事を楽しめないことが嬉しいの?」そんな誤解を生んでしまいかねません。
もちろん正解は、③です。
この店にはなぜか入店できませんでした。店員さんから説明はなく、今も謎です。
【問題3】「あのカーディガン、凄く人気で現在、品切れなんです。」と伝える際に適した表情は? |
翌日、大阪に移動し、仕事の合間に有名なギフトショップに寄りました。
寒くなってきたので、カーディガンを購入しようと探していました。
店内で、カーディガンを着たマネキンを発見。
しかし、商品棚にお目当ての商品は見当たりません。
そこで店員さんに聞いてみました。
『あの~カーディガンは、ないのですか?』 「あのカーディガン、凄く人気で現在、品切れなんです。」 |
ここで問題です。
問題3:店員さんはどんな表情でこのセリフを言うのが適切でしょうか?
解説:
このとき、店員さんは③の表情でセリフを言っていました。
大正解です。
「購入できなくて残念」のお客さんの想いに見事に共感しています。
カーディガンを購入出来なかったことは残念でしたが、店員さんの共感に心が暖められました。
『あ~そうなんですか、残念!』 「○○(類似の人気アイテム)でしたら、沢山ありますので、是非見て行って下さいね。」 『ありがとうございます!』 |
他の店員さんとも二言三言会話したのですが、皆さん、表情豊かかつ共感力が高いのです。
また必ず訪れたい、そう思わせてくれるお店でした。
まとめ |
表情一つで人の心も行動も変わるのです。
皆さんも、是非、日常の様々なシーンで表情を観察してみて下さい。
「あ、この表情良いな」「何か違和感があるな」など、観察をすることで様々な気づきがあると思います。
「良いな」と思ったら、真似してみましょう。
「変だな」と思ったら、自分を見つめなおし、相手の気持ちに沿った振る舞いが出来るように工夫しましょう。
ではでは、実践を重ねて下さい。
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