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就活コラム

表情分析官 清水が伝えたいこと~まとめに代えて

こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。

本コラムでは、23回にわたり、様々な面から表情の伝え方について解説してきました。興味関心、熱意・真剣度、笑顔の伝え方、表情フィードバックの活かし方、真顔が与える印象、緊張への処方箋、感情の込め方、面接官の表情の読み方、マスク着用時表情の伝え方、リアル面接とオンライン面接の違い、表情以外の身体の活用法、面接でのウソ、表情のクセ、共感の伝え方などなどです。各々のトピックの一つでも、皆さんの心の中に残り、「これは面接の役に立つ!」「面接だけでなく、人生の役にも立つかも!」と思って頂ければ嬉しく思います。

本日で、本コラム最終回です。そこで本日は、これまでのコラムを通じて、そしてコラムを超えて、私がお伝えしたかったこと、そして、贈る言葉を書きたいと思います。

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一言で言えば、就職面接における表情の伝え方の学びを通じて、自他の感情と向き合い、感情を融和的な人間関係を構築する拠りどころとして欲しい、ということです。私がこれまで解説してきたことは、就職面接を突破するためだけでなく、職場でのビジネスコミュニケーションや家庭等での日常コミュニケーションでも活きる知見やスキルです。

就職活動を終えても、感情と向き合う、感情について考え続けて欲しいと思います。感情は何のためにあり、どのように表情に表れ、いかに伝え、読むか、こうしたことをこれまでのコラムを通じて考えてきましたし、今後の人生においても考え続けて欲しいのです。

これまでのコラムで解説してきた中心的な感情-表情は、興味関心、熱意・真剣、笑顔でした。これら感情は、ポジティブ感情-幸福、喜び、安らぎ、安堵、快楽、愛情、楽しみ、勝利感、感謝、感動、好奇心、熱意、畏怖、願望、自尊心、同情心などを含む総称的な感情-に関連しています。

ポジティブ感情、殊に幸福感情のニーズは、「楽しいこと、心地よいこと、安堵が続いて欲しい」というものです。このニーズが満たされる日々を送っていると、視野が広がり、柔軟な思考が出来るようになり、創造的になれます。この結果、広く情報を集めることが出来、選択肢の幅が広がります。免疫力が高まり、風邪をひきにくくなる、ということを実証した研究もあります。さらに、幸福感情が表情に表れることで、他人に好印象を与え、人間関係を円滑にしてくれます。こうしたことが諸研究からわかっています。

一方、ネガティブ感情はどうでしょうか。

約束があり、待ち合わせ場所まで電車で移動する自分を想像して下さい。アクシデントがあり、電車が止まります。いつ運転再開するかわかりません。約束の時間が迫って来ます。他の移動手段はありません。このままでは間に合いません。このとき、怒りの感情が湧いてくると思います。

この怒りはどこに向けられているでしょうか。アクシデントそのもの、あるいは、アクシデントを早く処理できない鉄道職員さんでしょうか。ここで、怒り感情について冷静に考えます。怒りのニーズは、「目的到達を阻む壁、障害を破壊したい」です。このニーズが満たされれば、怒りはなくなります。ここでの目的は、「待ち合わせ場所に時間通りに到着する」です。壁は、アクシデントそのものかそれを処理する鉄道職員さん。

あなたが怒り感情を抱いたところで、この壁はなくなるでしょうか?

あなたの怒りは、状況を改善させるでしょうか?

もちろん、無理です。そうであったなら、怒りに心を乱されている理由はなくなります。約束している相手にリスケジュールを申し出れば済みます。あなたの責任ではないため、仕方のないことです。こうすることで怒りの気持ちから離れ、電車の中で待つ間、考え事をしたり、本を読んだりし、時間を有意義に使うことが出来ます。

怒りに心を奪われていれば、こうした時間の使い方は出来ません。また、私たちは、怒りを抱いたままだと、その怒りは、慣性の法則のように気づかぬうちに心の中を進み続け、怒りのはけ口を、無関係な人やモノに向けてしまうことがあります。

事実、怒りや嫌悪感情を抱いていると、平常な感情のときと比べ、自己利益のためのウソをついたり、ズルをしたりする、そんな心性・行動をしてしまう傾向を私たちは持ってしまうことが諸研究からわかっています。

大切なことは、「常に、ポジティブ感情でいるべきであり、ネガティブ感情を抱くべきではない」ということではなく、「感情のニーズを知り、活かす」という姿勢です。

自分を、ポジティブ感情、笑顔にしてくれる人やモノや環境は何か?

自然に笑顔でいられるのか、ある程度の努力が必要なのか、しんどくなってしまうレベルなのか?自身の心に耳を傾けて欲しいのです。しんどいならば、環境を変えるのも一つの手段です。

自分をネガティブ感情にするのは何か?

適切に原因を見つめられないと、その感情が必要なものなのかそうでないのかわかりません。不正義に気づき、立ち向かうためには、ネガティブ感情は必要です。一方、不必要なネガティブ感情は、あなたの心と周りの人に悪影響を及ぼすでしょう。

怒り感情を抱いたならば、怒りの対象がどこかを冷静に見つめ、怒りを関係のないところへ波及させないようにする。職場が嫌悪感情を引き起こすような清潔でない場所なら、清潔に整える。感情の影響を知っていれば、こうした工夫が出来、自身の精神だけでなく、人間関係を豊かにすることが出来るでしょう。

本コラムを呼び水に、さらなる感情と表情の世界を、自身の視点と体験から覗いてみて欲しいと思います。さぁ、社会人人生のはじまりはすぐそこです。

ではでは、練習頑張って下さい。

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