面接官が「ガクチカ」を聞く理由と、その対策について
某コンサル会社最年少役員でカチメン!就活コラム担当のなかぴーです。
弊社の新卒採用責任者としても活動しており、 中途、新卒どちらの面接も数多く行ってきております。
そんな私の立場から、今回は多くの面接で聞かれる「学生時代に力を入れてきたこと」について、 どのように回答を組み立てて行くべきか、お伝えしていきたいと思います。
回答を組み立てるにあたって、面接者がなぜ「ガクチカ」を聞きたがるのか理解する必要があります。
●質問の背景、意図
いわゆる「ガクチカ」を聞く背景として、
・忍耐強く努力ができるか(努力の量)
・努力の仕方を工夫することができるか(努力の質)
を確認したいという意図があります。
一見するとこの質問は、
学生時代に経験したことをどう仕事に活かすのか ということを聞かれていると捉えやすいと思いますが、
仕事に必要なスキルの多くは、仕事を通じて身につけていくものです。
学生時代の少しの経験では、その後数十年のキャリアと比べたら小さな差でしかありません。
それよりも「向き合う仕事に対してキチンと努力ができて、努力の仕方そのものを工夫することができることによって、仕事の中で成長ができることの方が、長いキャリアの中で成果を出すには重要です。
そういった考えのもとに、努力の量と質を確認する目的でガクチカを質問しています。
●回答の中に含まれていて欲しい要素
ビジネスの世界では、常に他社との競争に晒されるので、
ガクチカで話すエピソードにおいても、”自己満足の努力”だと面接官に捉えられてしまうと、 評価されにくくなってしまいます。
そのため、
・他の子→人はどれくらいやっていたのか
・あなたはそれを超えるためにどれだけの努力をしたのか
・質高く努力するために、他の人と比べてどんな工夫をしたのか
といった背景情報も加えながら説明していくことで、 ”成果を出すための努力”ができる人である
ということをアピールしていきましょう。
●回答例
私が学生時代に力を入れてきたことは、「ドラムの演奏」です。
自身が苦手なことでも、必死で努力して克服する という経験を学生のうちに経験したいと考え、
未経験の音楽を大学入学と同時に始めることにしました。
サークルに入ると、当然周りは経験者ばかりで、私は圧倒的にドベの状態でした。
そこで、学園祭の際に、サークルで一番上手い人が集まってライブを行うということがあったのですが、
"3年生の時にはそこに選ばれて演奏をする"ということを目標に活動してきました。
様々な工夫をしながら努力をした結果、最終的には目標を達成することが出来ました。
少し長いエピソードにはなるのですが、このまま続けてお話ししてもよろしいでしょうか?
入学当時ドベだった私は、まず誰よりも練習することを決意します。
ただ、闇雲に練習しても3年という期間では到底追いつけないだろうと考えたので、 効率的な練習をしようとも考えました。
しかし、効率的な練習の方法がわからなかったため、サークルの中でも特に上手な先輩たちと仲良くなって、
教えてもらおうと決め、積極的に声をかけ、なるべくサークルに多く顔を出して可愛がってもらうということも行いました。
朝から晩まで、授業とバイトの時間以外はドラムに没頭し、土日も大学に通ってドラムを触るという生活を1年半ほど続けると、 ある程度は演奏できるようになっていました。
しかしながら、自分よりも圧倒的に練習時間が短いにも関わらず、ずっと上手い演奏ができてしまう人がまだ何人もいました。
本当に悔しかったのですが、なぜだろうとしばらく彼らを観察していると、目には見えない2つの違いがあることに気付きました。
・彼らは頭の中にドラムセットのイメージがあり、24時間いつどこでもイメージトレーニングができる状態にあること
・「音楽」の演奏を楽しんでいること(私のドラムはスポーツのように身体を動かすことばかりに集中していました)
この2点の違いに気付いてからは、ただ長時間ドラムに触ることだけが練習じゃないと認識し、 プロの演奏を聴きに行ってみたり、他の楽器の音をよく聴くようにしたり、
頭の中でイメージした動きと実際の自分の身体の動きをリンクさせるための練習をする等しました。
この点に気付いてからは劇的に成長しましたが、引き続き誰よりも長時間努力することは続けていたため、
気付いたら同期のドラマーの中では1番上手い演奏ができるようになっていました。
良いアドバイスをくださった先輩方のおかげで成し遂げられたことでもあります。
この経験から、自分は人よりも努力をすることができるという自信が得られたのと、
努力は量だけではなく、質にもこだわる必要があるということが学べたと考えています。
以上
自分の学生時代のエピソードを振り返りながら回答例を記載してみました。
ここまで読んでくださった皆様もぜひ、ご自身の経験を振り返って、
「面接官の気にするポイント」に沿ったガクチカのエピソードが話せるように準備してみてください。