家賃補助は企業の47%が行っている福利厚生 |
しかし、その補助額は千差万別。
たとえば、大和証券は既婚者の場合、毎月約10万円の補助が出ます。続く朝日新聞社は9.5万円、サントリーHDは9万円といずれも高額です。
仮に月8万円の家賃補助があれば、年間96万円の手取りがあるのと同じこと。
生活レベルも大いに変わります。
次に大切な福利厚生は「企業年金・退職金」です。
年金はさまざまな種類があり、なかでも企業が社員の代わりに積み立ててくれるものを「企業年金」と言います。
国の年金とあわせると、合計50万円を月額で受け取れる企業もあり、リタイア後の幸せを考えるなら切っても切れない福利厚生です。
ただし、年金は「引退してからどれくらい生きるか」で受取額が異なりますし、インフレ率や年金制度の崩壊リスクも見込むと、今受け取ることができる家賃補助と比べて優先度が落ちるといえます。
3番目に実質年収へインパクトを与えるのは「持株会」です。
持株会とは、自社株を買うことで積み立てていける制度のこと。
自社が成長していけば、持っている株の価値もどんどん上がっていくため、これを求めて入社する方もいます。
他方、その企業が倒産すれば紙切れとなるわけで、金額が家賃補助や企業年金より大きくても、リスク含みなら優先度が下がるというわけです。
福利厚生について説明会で質問しないほうがいい |
さて、この福利厚生についてですが、説明会やOBOG訪問で質問すべきではありません。
あなたも、高校生から大学進学の相談を受けて「〇〇さんの大学に入ると、生涯所得ってどれくらい上がります?」とか、「〇〇さんの学部で就職率が高いのってどこ学部ですか?」と、実利ばかり求める質問をされたら少し嫌な気分にならないでしょうか。
就活においてもこれは同じで、福利厚生について質問すると「あの子、実利だけを見ているな」と誤解されてしまうのです。
誤解ではなく本音かもしれませんが……。
いずれにせよ、いい印象は与えません。
福利厚生については、OpenWorkやOpenMoneyなど、企業の実態が書かれた口コミサイトで調べましょう。
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逆にこの福利厚生がない会社は危険サイン
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そして、どんなに魅力的な福利厚生が並んでいても「この福利厚生がないのはヤバイ会社だ」と思っていいものがあります。
それは「交通費支給」と「健康診断の補助」です。
交通費支給とは、自宅から会社へ通う費用を負担してくれるものです。
つまり、これがない会社は通勤が自腹になります。
フルリモートの案件ならまだしも、毎日出社で交通費がないのはかなりしんどいはずです。
たとえばあなたの手取りが月20万円だとして、交通費が1日1,000円かかるなら「実際の手取り」は18万円になってしまいます。
そして、健康診断の助成。
そもそも、健康診断を社員に実施しない会社は、労働安全衛生法第120条に違反しており、50万円以下の罰金を課されます。
これを「罰金50万円なら払ってもいいか」と無視する危ない会社がたまにあります。
コンプライアンスもへったくれもないため、全力で逃げていただきたいです。
このキーワードを見逃すな!おすすめできる福利厚生 |
最後に、私が個人的に「このキーワードが入っていたら」応募すると決めるくらい、大事な福利厚生があります。
まず、ベネフィットワン。
これは、福利厚生サービスを提供する企業の名前です。
ベネフィットワンに加盟している企業は、旅行や結婚、引っ越し、育児、介護、ジム通い、オンライン授業とあらゆる面で割引を受けられます。
次に、社員販売です。
社員販売がある企業では、ほぼ原価で自社製品を買うことができます。
不動産や車、ラグジュアリーブランドなどの社員販売は、生涯所得にかかわるレベルのインパクトを与えてくれるでしょう。
実は奥が深い福利厚生。求人を見るときは、ぜひ細かな項目まで読みこんでみましょう。