カチメン!就活コラム

使い回しが効くエントリーシートの作り方①

作成者: 中川等史|25/01/27 5:00

某コンサル会社最年少役員でカチメン!就活コラム担当のなかぴーです。

弊社の新卒採用責任者としても活動しており、 中途、新卒どちらの面接も数多く行ってきております。 

そんな私の立場から、今回は効率的にエントリーシート(以下ES)を作成する方法についてお伝えしていきたいと思います。 

もちろん新卒採用選考を行う私たちの立場からすると、「自社のESには時間を気にせず、ベストを尽くして欲しい!」という気持ちはありますが、一定期間に複数企業を並行して受けていく就活生の皆さんが1社1社にかけられる時間は限られています。 

「使い回しにしているとバレてしまうのではないか?」と不安は抱えつつも、時間に追われてそのまま提出してしまう方も少なくないのではないでしょうか。 
(実際弊社にもそういったESが届くこともあります。) 

企業毎に変える必要がある部分使い回しが効く部分を整理し、効率よくESを書けるようにしていきましょう。 

※企業毎にESの形式は異なりますが、大多数の企業で求められる志望動機について今回は取り扱っていきます。
ガクチカの記載を求められる場合は、過去のコラム「面接官が「ガクチカ」を聞く理由と、その対策について」を参考にご自身の努力経験を記載することをオススメします。
努力経験であれば、どの企業でも共通して求められる能力でありますので、都度書き換えることなく使い回しが可能です。
 

今回取り扱うES上の志望動機に関しても、基本的には過去のコラム「他の応募者と差をつける志望動機の作り方①②」でお伝えした構成をベースに効率的な書き方をお伝えしていきますので、まだ閲覧されていない方はそちらからお読みいただくことをオススメいたします。

また、今回も記事が長くなってしまうため2部に分けて記載させていただきます。 
それでは本題に入っていきましょう。

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ESの中には応募する企業に関する情報と、あなたの情報の大きく2種類の情報が入っています。

「使い回しが効くESの作り方」というテーマですが、企業に関する情報の方を使い回してしまうと、「うちの会社と違うことが書いてあるな」と、担当者の方にバレてしまうことになります。 
そのため、使い回すのはあなたに関する情報を記載する部分となります。 

まず以下に作成するものと手順をまとめます。 

・作成するもの 

A. 自己分析シート
 
B. 企業調査シート 
C. エントリーシート 

・手順

1. 自己分析シートを記入する。
2. 企業調査シートを記入する。(応募する企業ごとに作成) 
3. A, Bを照らし合わせながら、ESを作成する。 
※ESを記載する際に自己分析が深まることもあるため、追加で記載できることが増えたらAを更新する 


大きな手順としてはこのような流れとなります。
手順2については、前述の通り過去の記事で取り扱っておりますので以下の記事を参照ください。 
「他の応募者と差をつける志望動機の作り方① 〜企業調査のポイント〜」

今回の記事では手順1の自己分析シートの記入方法についてお伝えし、次回の記事で手順3のESの作成方法についてお伝えして行きます。

 

自己分析シートに記入するもの 


自己分析シートには、 以下の項目を記入していきます。 

・ 目標 / やりたいこと 
・ やりたいと思ったきっかけ 
・ 活かせるスキル / 強み 
・ 上記を証明するエピソード 

それぞれの繋がりは下図の通りで、 目標に対して、やりたいと思ったきっかけとなるエピソードを準備しておくことで説得力を高める狙いがあります。 

さらに目標に対して、自分の活かせるスキルや強み、それを証明するエピソードを準備しておくことで実現性をアピールする狙いがあります。 


簡単な図になりますので、手元のノートに同じ枠を用意して一緒に書き進めてみましょう。 

各項目には、複数情報を記入しても問題ありません。 
様々な業種・業態に対応することを考えると、数多く書いていた方が後々ESを作成する際に楽になります。 

 

目標 / やりたいこと 


ご自身がキャリアを通じて実現したいこと、目標を記載してください。
 

理想としては、「誰に」と「何を提供するか」がいくつか具体例を示せる状態までイメージを膨らませておきたいです。 

例えば、「人々の美容と健康に貢献したい」という目標がテーマとして存在しており、その具体的なイメージとして、 
「パーソナライズ型のサプリメント事業を美意識の高い女性に対して展開してみたい」というアイデアを持っている状態が理想です。 

テーマとなる目標と、その具体例の両方をこの項目には記載しておくとわかりやすいと思います。 
1つのテーマに対して具体例を複数考えても問題はないので、思いつくものはメモしておきましょう。 

「やりたいことや目標が見つからない」と悩んでしまう方向けの記事も過去に投稿しておりますので、 もし困ってしまっている方はぜひそちらもご覧ください。 

 

やりたいと思ったきっかけ 



ここでは、なぜその目標をやりたいのか?と問われた時に備えて、きっかけとなったエピソードを準備していきます。 

「私にはこんな大きな目標があります」というのは、極論その面接の当日に思いついたとしても話せてしまうものです。
そのため選考する側としては、その目標を成し遂げたいという気持ちにどれだけ強い意志があるのかは必ず確認します。
 

一般的には「熱い気持ちを情熱的に伝えよう」とアドバイスされることが多いと思いますが、気持ち以上に行動が伴っているかどうかがここでは重要です。 

強い気持ちがあるにも関わらず、何も行動を起こしていないとしたら「行動力がない人なのかな?」と思われてしまいますし、気持ちも行動力もあるにも関わらず行動できていないのだとしたら「その気持ちは本当なの?」と疑われてしまいます。 

理想的な構成がありますので、参考にしながらエピソードを探してみてください。 

その構成とは、「きっかけとなる挫折→努力によるスキル獲得+他者への貢献→感謝されることで気持ちが強くなった」という流れを組むことです。 

以下に参考を記載します。
 

きっかけとなる挫折: 

・ 新しく買った洋服を着て学校に行った時に友人から褒めてもらい、人前に立つことの自信を少し持てるようになった。
 
・ その後ファッションや美容に興味を持つようになったが、思春期の時期に思考が偏り、過度なダイエットをして健康を害してしまった。 

努力によるスキル獲得+他者への貢献: 

・ それからは健康あっての美容だと考えを改め、健康について勉強をした。
 
・ 大学では健康と美容について友人にアドバイスも行うようになった。 

感謝されて気持ちが強くなったエピソード: 

・自分のアドバイスによって友人が変わっていくのを見て、私自身も嬉しい気持ちになれた。
 
・より多くの人に貢献したいと考え、現在ではSNSで健康と美容に関する情報の発信等にも挑戦している。 

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活かせるスキル / 強み・それを証明するエピソード 



この項目を記入する際には、特に数多く書き出しておくことがポイントとなります。
手順3の工程に進み、企業の目標と掛け合わせた際に、どんなことが強みとして活用できるかわからないため、できるだけ幅広く記載しておきたいです。 

書き出す際に皆さんの発想の助けとなるよう、以下に観点をいくつか記載します。 

・とにかく量をこなした経験を思い出す。 

量をこなすことすら楽しんでできたということであれば、その物事は強みとして語りやすいですし、仮にそれが辛い経験だったとしても、効率的に行う工夫をした経験が見つかるはずですし、辛い経験の中でも楽しみを見つけて続ける努力をした経験が何かしら語れるはずです。
 

・失敗をしたという経験を思い出す。 

失敗を乗り越えて挑戦を続けるということは、ビジネスを成功に導く過程では必ず必要になります。
 
他の人が中々経験できないような大失敗は、わかりやすいエピソードへと昇華させることが可能です。 

余談ですが、私が新卒入社した会社は1年後に倒産してしまいましたが、その経験は私にとって非常に貴重な経験になっており、現在のキャリアの糧となっています。 
過去の経験を失敗と捉えるか、成功への糧と捉えるかは現在と未来の自分次第なので、改めて振り返って捉え直してみましょう。 

・自分では普通だと思っているのに人から褒められることがないか思い出す。 

本当に得意なことは、無意識でやってしまっているために自分が得意だと気付かないということがあります。
 

私のチームにも非常にネガティブなメンバーがおり、「これで仕事ができるのか」と少し心配していた節はあったのですが、ネガティブゆえに、事業が失敗するリスクを洗い出すという役割を任せると非常によくパフォーマンスしてくれます。

性格的な特徴を欠点として見るのではなく、どんなシーンなら上手く活かせるのか考えてみるとよいでしょう。 

参考:記入例 

ここまでで手順1の自己分析シートの記入方法についての説明は終了となります。

次回の記事では手順3のESの作成方法についてお伝えしていきますので、もう少しお付き合いください。