就活でAIはどこまで役に立つ? 上手なAIとの付き合い方
こんにちは、カチメン!就活コラム担当のトイアンナです。
世の中は右を見ても左を見てもAI。就活においてもAIを使ったツールが大量に登場しているかと思います。
かくいう私も、ChatGPTでエントリーシート(ES)の添削ができる命令文を作ったばかりです。
しかし、AIはどこまで信頼できるのか。上手な付き合い方をご案内します。
AIを使った就活対策は「模擬戦」にピッタリ |
「カチメン!」をはじめとするAIの模擬面接アプリや、ES添削アプリ。これらはぜひ使っていただきたいです。
なぜなら、実際のESや面接を経験する前に「模擬戦」ができるからです。
生成AIが一般化する前、ES添削や模擬面接はすべて人力でなされていました。メディアセンターやOBOG、就活塾へ足を運び、実践経験を積んだのです。
生成AIが生まれた今となっては、なんと非効率な……と感じることでしょう。
たとえば「カチメン!」のAIを使って模擬面接を行い、自信をつけて実践へ挑む。
実践でも落ちるかもしれないけれども、練習を積んでいるから怖くない。改善策も立てられる。
この状態になれば、就活自体を楽しくこなせるはずです。
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AIに就活の答えを教えてもらおうとするのは危うい
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いっぽう、あなたの「就活偏差値を出します」といったアプローチをしているAIに対しては、そこまで信頼がおけるかわからない……というのが本音です。
これまでに私は多数の大手企業を取材してきましたが、案外主観的な理由で採用・不採用が決まっているのが、就活の現実だからです。
たとえば、ある大手企業では「声が大きかったから」という理由で学生を採用していました。
採用担当は声さえ大きければ、ちょっとばかり頭が悪かろうが、事務が苦手だろうが現場の監督に気に入ってもらえるから何とかなるだろう、と考えたそうです。
ところが、AIの査定アプリは声のボリュームで「採用!」を決めるほど、単純明快なツールではありません。話している内容のロジック、リーダーシップ経験、協調性などの文脈を踏まえて判断しているわけです。
まさか、現実の面接で「ま、いっか。あいつ声がでかいし」で採用されるとは思わず……。
就活の採用基準は信じられないほどエモで決まる |
さすがに音量だけで決まったのはレアケースですが、そのほかにも、
「なんか、今話した学生さんって営業部にいる〇〇君に似てるよね。だったら安心だし採用しよっか」
「東大の○○部からは例年〇人くらい採用してるし、今年もそれくらい取るかあ。あの子、中高大と同じ部活なんだって? 根性ありそうでいいね」
「幼少期に親から放任で育てられたやつがいいな。親とべったりしていなくって、自立心があるから自分から動けるやつが多い気がするし」
など、まあまあエモい理由で採用の可否が決まっているものです。
そして、AIで判定する企業には当然、この手の「本音の採用基準」は外に漏れません。
対外的にはどの企業だって協調性、リーダーシップ、柔軟性、多様性を発信するにきまっているからです。
そうなると、「AIのアプリでは〇〇社に内定A判定だったのに、速攻落ちた」なんて事故が起こります。
最終面接官は採用のプロではなく、現場からたたき上げて偉くなった社員たちです。目線としてエモに寄るのは、仕方がないといえます。
とはいえ、企業がまさか採用ホームページに「うちは面接で『社内の〇〇君に似てそう』となったら採用することにしています」なんて書くはずがありません。
本音を書けば、SNSでネタにさるのがオチだからです。
そうなると、「AIのアプリでは〇〇社に内定A判定だったのに、速攻落ちた」なんて事故が起こりうるわけです。
AIはあくまで「たたき台」として、実践経験も積もう |
AIはぜひ使っていただきたいです。ESや面接の「基礎力」を磨くために。
そのうえで、模擬面接に頼りすぎず、できるだけ多くの企業へお試しでも応募して、実践経験を積んでいただきたいと思います。
実際に応募してみると「A社ではおっとりした話し方の人が多いから、相手のテンポにあわせてまったり話そう」ですとか、「B社はファッションセンスも見ていそう。パリッとしたスーツでいこう」といった個別判断が必要なことがわかってきます。
そういった個社の差は受けてみないとわかりませんので、まず応募してみてください。
応募して落ちても、失うものはありません。
多めに応募して、落ちても焦らないですむ社数を持っておきましょう。