こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。
これまでのコラムでは、興味関心、熱意・真剣、好印象(笑顔)を伝えるための具体的な表情の動かし方、表情フィードバックを活用した感情の育み方について解説してきました。本日は、大きな視点から面接と表情の関係を捉えます。
本日のテーマは、面接で表情が重要な理由~真顔はどんな印象を与えるか~です。
エントリーシートや筆記試験の基準をクリアし、いよいよ面接。面接官は、エントリーシート等の書類から就活生と対面する前に、就活生のイメージを抱きます。「字体や言葉選びから熱意が高そうだな」「活動歴から積極的そうだな」「取得資格からみて、計画的に物事を運ぶ人かな」…などなど、色々イメージします。
面接当日。いざ対面。会話が進むにつれて、「あれ?イメージと違う…。」と思うことが時々、起こります。それが良い意味の場合もあれば、悪い意味の場合もあります。もちろん、問題なのは悪い場合です。書類の内容、つまり、文字情報から熱意や積極性(から想像される幅広い興味関心性)、慎重さが伝わってくる。一方、面接の場で伝わらない。それは往々にして、伝え方・伝わり方が問題なのです。
メラビアンの法則というものを聞いたことはありますか?メラビアンの法則とは、言動が一致していないとき、言葉からは7%、声の調子や口調からは38%、ボディーランゲージ(表情含む)からは55%の影響を受け、メッセージが適切に伝わらない、というものです。
「言動が一致していないとき」というのがポイントです(正確には、各チャンネルが一致していない、なんて言い方をします)。例えば、プレゼントを贈るとします。その相手が「これ欲しかったんです。すごく嬉しいです」と言いながらも、真顔だったらどうでしょうか?「本当は嬉しくないのかな」と思うと思います。「すごく嬉しい」というポジティブな言葉からは7%、「真顔」というボディーランゲージ(表情含む)からは55%の影響を受け、真顔が持つ印象を強く受けとることになります。
面接の場に当てはめてみましょう。エントリーシートの自己PRでは、「好印象を与える人柄である」と書き、面接の場で「自分の長所は、誰にでも好印象を与えられることです」と言いながら、真顔。プレゼントの例しかり、真顔が持つ印象を面接官に強く与えることになります。
以下の真顔で、「これは凄いことなのです」と発言しても、面接官にその凄さは伝わらないでしょう。
真顔が与える印象は、人それぞれですが、概ね、男性は怒っている印象、女性は驚いている印象を与えることがわかっています。「好印象」を伝えたいのに、真顔では、怒り、あるいは、驚きという印象を伝えてしまいます。したがって、エントリーシートに書いた、あるいは、面接の場で発する言葉という言語情報と、声の調子・口調、表情含むボディーランゲージという非言語情報を一致させる必要があるのです。特に、伝達力の強い表情を意識することが重要です。
「自分の伝えたいことがあれば、自然に表情は出るので、わざわざ表情を意識する必要ないのではないか」そんなことを思われる方もいるかも知れません。自分の発言に感情が込められていれば、自然に表情は出ます。しかし、ここは面接の場です。自然な表情では、面接官に伝わらないことがあります。舞台俳優が舞台に立ち、演技する。このとき、普通のコミュニケーションのときのような表情では、観客に気持ちは伝わらないでしょう。面接の場は、舞台俳優の演技に似ています。
家族や友達など、普段からお互いを知っている、お互いのコミュニケーションのクセを知っている人とのコミュニケーションならば、表情を意識しなくても、以心伝心を通じて、そこそこ伝わるでしょう。一方、面接官はあなたのことをよく知りません。以心伝心が起きづらい。ですので、明確なコミュニケーションをする必要があるのです。明確な言葉を用い、その言葉に込めたい想いを適切な表情で、普段より明瞭に意識し、伝えられるようにしましょう。では、練習頑張って下さい。