こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。
本日のコラムでは、就活生・転職者に楽しみながらノンバーバル(表情やしぐさ等の非言語)について学んでいただけるよう、ドラマを題材にし、就活・転職で役立つ「相手の本音の見抜き方」を解説したいと思います。
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現在フジテレビ系列で放送中のドラマ『最後の鑑定人』は、元科捜研の経歴を持ち、卓越した鑑定スキルを誇る主人公・土門誠(藤木直人さん)と、彼の鑑定所に所属する心理学の専門家・高倉柊子(白石麻衣さん)が、科学的手法を駆使して複雑な事件の真相に迫っていくサイエンスミステリーです。
高倉は、人の表情やしぐさから隠された嘘を見抜く能力に長けており、私、清水は、劇中で描かれる俳優さんたちの表情や所作、セリフに科学的根拠に基づいたリアリティを持たせるため、専門家監修として関わっています。
コラムで解説するシーン |
今回、注目したいのは、第一話のこちらのシーン。
土門鑑定所で都丸刑事(中沢元紀さん)が、事情聴取で黙秘をつづける重要参考人(葉山奨之さん)の録画映像を見せ、土門と高倉に捜査の経過を相談しているシーンです。
映像には、事件関係者との関係を問われている参考人の様子が映し出されています。
高倉:「頭が垂れて、わずかに後退している。この指の動きも。何かを知っている可能性があります」 |
高倉の推測を確信に近づけ、事件を解決すべく、参考人をポリグラフ検査(生理反応を測定する検査)にかけることになります。
様々な人物の写真が参考人の目の前のモニターに映し出され、参考人は全てに「知りません」と答えます。
しかし、ある人物の写真を前に、参考人のポリグラフの波形は乱れ、まばたきは増加し、呼吸が大きくなり、視線は下に向かい、唇には力が入ります。
参考人は、土門の追及を受け、その人物のことを知っていると白状します。
参考人と写真の人物はどんな関係だったのか?事件にどう関わったっていたのか?ドラマを観て確認して下さい。
このシーンから就活生・転職者が学べること |
このシーンから私たちが学べることは何でしょうか。
例えば、会社説明会で嘘をつくブラック企業や、ブラックとまではいかなくても都合の悪いことを隠そうとする企業、「自分と何か合わない」という違和感を抱いてしまう企業などを推測・選別するのに役立ちます。
カチメン!就活監修の松原吉宏先生のコラム「心理カウンセラーが教えるブラック企業の見抜き方」の中で、わざと悪い情報を軸にした聞き方がブラック企業を見抜く質問例として紹介されています。
「残業はどのくらいですか」ではなく、「残業で夜9時、10時もあるのかなと思いますが、そのくらいと考えてよろしいでしょうか」という聞き方や、「休日出勤はどのくらいですか」ではなく、「休日出勤もある場合も想定していますが、月に2回くらいで考えたらよろしいでしょうか」という聞き方です。
こうした質問の回答をよく聞くことはもちろん、ノンバーバルの側面もよく観ることが大切です。
言葉とは裏腹な、あるいは、言葉に出来ない複雑な心情が表情やしぐさに生じることがあるからです。
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参考人の「表情・しぐさ」から分かる感情 |
先のシーンで描かれている、 「頭が垂れて、わずかに後退している」は、罪悪感の現れです。
「この指の動き」とは、重要参考人が両膝をさする動きのことで、動揺の現れです。
「まばたきは増加し、呼吸が大きくなり」は、緊張の高まりの現れです。
「視線は下に向かい」、これも罪悪感の現れ。
「唇には力が入る」、認知的負担(頭がいっぱいいっぱいな状態)か動揺の現れです。
胸元と膝をさする動き、唇に力が入る動き、ノートをいじる動き。これらが意味する心理とは? |
特に、両膝をさする動きと唇に力が入る動きは、専門的にはマニピュレーターといいます。
身体の一部で他の身体を触ったり、さすったり、叩いたり、揉んだり、唇を歯で噛んだり、唇をもごもごすり合わせたりする動きのことです。
貧乏ゆすりや机をタップする、ペンやノートをいじる等もマニピュレーターの一種に含まれます。
マニピュレーターは、感情に波が起きたときに生じるしぐさで、感情の波をなだめるためになされます。
「マニピュレーターがあるから嘘をついている」と判断することは間違いです。
しかし、「なぜ感情に波が起きているのだろう?」「何が動揺の原因だろう?」と考え、高倉がポリグラフを用い追及したように、同じ疑問を異なる角度・方法から尋ねたり、会社の内情を知っていそうな他の人やOB・OGに尋ねたり、その企業について調査している本や報道から調べたりし、納得できるまで答えを求める姿勢が大切です。
本ドラマは、上記で紹介したもの以外にも様々な表情、しぐさが登場しています。
ミステリーとしてワクワクドキドキ楽しめるのはもちろんですが、表情やしぐさに注目することで自他のノンバーバル、振る舞いに意識を向けることが出来るようになるでしょう。
是非、楽しみながら学んでみて下さい。
ではでは、実践を重ねて下さい。