こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。
前回のコラムでは、表情・声・身体の特徴を知り、伝達力を高める方法について解説しました。表情・声・身体には伝えられる情報量に差がある、それぞれが連動するとメッセージが効果的に伝わる、特に声の大きさと話すスピードに気を配ろう、イラストレーターを用いてメッセージに躍動感を持たせよう、ということでした。
本日は、面接官にウソはばれる?ばれない? について解説します。
面接では、自分のことをある程度大きく見せ、飾ってしまうことがあると思います。誰もが自分のことをよく見せたい、あるいは、良い部分だけ見せたいと思うでしょう。どこまでが真実で、どこからが脚色、さらにウソなのか。細かな話は脇に置いておきましょう。
気になるのは、面接官はウソを見抜くことが出来るだろうか? ということです。
専門職などで知識やスキルの細かいところを問われた場合、面接官の方が知識豊富だと、ウソをつき通すことは難しいでしょう。すぐにバレてしまいます。一方、専門的な内容ではなく、長所や短所、時事に対する意見、個々の体験についてウソを述べたとしても、面接官に見抜かれることはほぼないと言ってよいでしょう。
なぜ、そう言えるのか?
それは、多くの研究から、私たちのウソを見抜く精度は、約54%であることがわかっているからです。この数字は、真実の話が50%、ウソの話が50%あるときのものです。つまり、偶然でも半分は当たる数字です。さらに、この精度は、ウソに日々接している警察官や弁護士でもほとんど変わらないということがわかっています。
ですので、面接官が皆さんのウソを正確に見抜くことは、ほぼ出来ないでしょう。
しかし、ここで私が注意喚起したいことが二つあります。
一つに、ウソと誤解される動作をしないこと。
二つに、ウソをつくと困るのは自分だということ。
ウソをついていると誤解される動きがあります。その筆頭は、目をそらす、そして、顔や頬をさわる、というもの。皆さんもどこかで聞いたことがあるかも知れません。目をそらす動きは、何かを考えたり、記憶をたどったりするときに生じます。顔や頬をさわる、もっと広く言えば、身体の一部で他の身体をさわったり、つねったり、撫でたりする動きは、感情に生じた波をなだめるための行為です。
面接官に、ある時事問題について意見を聞かれたとしましょう。想定していない質問だったり、特に何の意見も持っていなかったりすれば、その場で考えることになるでしょう。そうすると、正面から目が逸れます。ドキッとして、顔や頬をさわるかも知れません。これらの動作が、ウソだと勘違いされることがあるのです。
ですので、皆さんにして頂きたいことは、こうした動作をしないようにする。しかし、どうしてもしてしまうことがあります。そんなときは、無言でするのではなく、言葉を補います。「考える時間を下さい」「ちょっと緊張しています」など言葉にすることで、ウソをついていると誤解される可能性を減らすことが出来ます。
次に、ウソをつくと困るのは自分だということを知って下さい。
就職面接では、皆さんの性格や能力や会社に合うかそうでないかを見ているわけです。無理した性格、例えば、本当は内向的なのに外交的な自分を演じる、リーダー気質ではないのにこうした気質を装う。入社後、何らかのリーダーに抜擢されたらどうしますか? 困るのは自分です。
特定のスキルを持っていないのに持っていると述べる。例えば、TOEICの点数が高い。会社は、提出されたスコアをみて「英語が話せるのですね」と質問。英会話は不得意なのに「はい、話せます」と言ってしまう。入社後、海外からの問い合わせ部署に配属され、毎日、電話越しに英語で説明をする対応に迫られる。困るのは自分です。
ということで、面接官にウソがばれることはほぼないと言えますが、ウソをつかないことに越したことはありません。また、ウソをついていると誤解される動作はしない、もししてしまったとしても、言葉を補い本意を伝えられるようにして下さい。
ではでは、練習頑張って下さい。