こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。
前回のコラムでは、面接官の顔を見て伝えよう【応用編】について解説しました。面接官のあごの力が抜け、開かれれば、あなたの話を「知りたい」ということを意味しているので、話を進める。一方、面接官の口がきつく閉じられれば、あなたの話を「考えたい」ということを意味しているので、話はストップ。そして、こうした柔軟な会話運びをするために下準備をしっかりしよう、ということでした。
本日は、面接官の心が動くメカニズムについて解説します。
「あのリクルーターさんはいつもニコニコしていて、癒されるな~」
「あの面接官は、なんだか怖い顔しているな」
「OBOGの表情が人によって全然ちがうような気がする」
こんな体験をしたことがあるかも知れません。何らかの原因があって感情が生じ、表情に表れるわけです。その原因とは何なのでしょうか。無論、その状況にいないと手がかりがつかめないのですが、もしかすると、私たちの目の前にいる人の表情の原因は、私たち自身なのかも知れません。
スウェーデンのウパサラ大学の研究チームが興味深い知見を見出しています。それは、自分が目にしている人の表情にシンクロし、その人と同じ表情になる、という知見です。
人の「怒り表情」を見ていると、自然に見ているこちらも「怒り表情」になり、
人の「笑顔」を見ていると、自然にこちらも「笑顔」になる、ということです。
さらに、この研究には続きがあります。
人の「怒り表情」を見ているときに「笑顔」で返そうとしても、作り「笑顔」を表す前に一瞬だけ「怒り表情」になってしまう。一方、人の「笑顔」を見ているときに「怒り表情」で返そうと思っても、その「怒り表情」を表す前に一瞬だけ「笑顔」になってしまう。
つまり、私たちは、相手の表情に知らず知らずのうちにシンクロする。逆に考えれば、私たちの表情に相手もシンクロする、ということでしょう。興味深いのは、意図的に繕った表情をしようとしても、その前に一瞬だけ、目の前の相手と同じ表情になってしまう、ということです。
面接官が無愛想なのは、あなたが無愛想だからなのかも知れません。
面接官が笑顔なのは、あなたがニコニコしているからなのかも知れません。
ここまで読み、「面接官のネガティブな表情にシンクロしてしまい、ネガティブな表情になってしまったらどうしよう」。そんな不安を持つ方もいるかも知れません。
だからこそ、どんな状況で自身の気持ちがどんな影響を受けやすいのか、
感情と表情の関係を知っておくのです。
だからこそ、こうした不安をはねつけられるぐらい準備をしておくのです。
「面接官の気持ちを動かすのは私」
これくらいの気持ちを持って面接準備、面接本番に臨んで欲しいのです。気持ちが動けば、行動も変わります。ポジティブな気持ちは、前向きな行動を促します。ネガティブな気持ちは、後ろ向きな行動を促す、少なくとも、気持ちに「待った」をかけます。それは、皆さんにとっても、面接官にとっても同じです。
皆さんの表情で、面接官の表情と感情と行動をポジティブに変えてしまいましょう。
こうしたことが出来るのは、面接で伝えたい本物の想いがあるからです。本物の想いや感情が醸成されるまで、何度も何度も自身の人生を振り返ってみて下さい。そして、本物の想いを適切な言葉や表情で最大限に伝えられるよう、工夫して下さい。工夫のためのヒントは、本コラムや「カチメン!」アプリに満載です。何度も読み返し、頭と身体を使って、面接力を養って下さい。ではでは、練習頑張って下さい。