カチメン!就活コラム

帰省でわかる「いまの自分」―家族と地元の友人の表情から読むキャリアサイン【パートⅠ】

作成者: 清水建二|25/12/15 7:43

こんにちは。カチメン!表情監修の清水建二です。

年末年始、実家に帰省される方も多いと思います。
久しぶりに実家で過ごし、地元の友人たちと懇親を深める機会も増えることでしょう。

就職活動の時期であれば、どうしても話題に上りやすいのが「就活どう?」という質問です。

「自分のことは自分で決めている」という方にとっては、あまり触れてほしくないテーマかもしれません。
しかし、相手の「感情ニーズの波」にうまく乗ることで、自分の視点だけでは見えていなかったことが見えてくる場合もあります。
 

今回はパートⅠとして、「家族との会話ケース」を通じて考えてみましょう。 

 

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ケース1:親との会話① 

 

親:就職活動はどうなの?順調? 

あなた:まぁ、まぁ、かな。いくつか目ぼしいところは決めているよ。 

親:どんな会社?


ここで親は、
①あるいは②の表情を示しています。 

※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。 

問題:
①、②それぞれのとき、親御さんの気持ちは何でしょうか? また、どんなアプローチがよいでしょうか? 

解説:
①は眉が引き上げられています。これは興味・関心・驚きの表情です。
これらの感情ニーズは「知りたい」です。

よく見ると、口角も軽く引き上げられています。これは幸福のサインです。
併せて考えると、「ポジティブに知りたがっている」状態といえます。

つまり親御さんは、あなたの言う「目ぼしいところ」が「どんな会社なのか」を、少しワクワクしながら知りたいのです。
その場合は、「こんな会社だよ」と会社の
HPを見せたり、会社説明会の様子などを話してあげたりするとよいでしょう。 

②は、眉が引き上げられると同時に中央に寄せられています。これは恐怖(「懸念」「不安」「心配」と言い換えてもよいでしょう)の表情です。

恐怖の感情ニーズは「安全・安心になりたい」です。親御さんは、あなたの選択を心配しているのでしょう。

その場合は、親御さんが安心できる情報を優先的に伝えてあげるとよいでしょう。
それでもこの表情が消えないようであれば、あらためて会社の情報を精査し、安心できる情報を提供してあげて下さい。
 

ところで、①や②の表情に対して、思わず「どんな会社だってよいでしょ!」と怒りで反応してしまうこともあるかもしれません。
怒りのニーズは「障害を壊したい」です。親御さんの質問を「自分の邪魔をするもの=障害」と感じている状態です。
 

普段の自分なら普通に答えられる質問なのに、過剰にイラッとしてしまう。こうした反応は、あなた自身の不安の裏返しである可能性があります。
不安や恐怖があると、闘争・逃走反応を示してしまい得るのです。

もし心当たりがあるなら、そこから目を逸らさず、今一度、その会社についてよく調べてみましょう
あなた自身の中にある「引っ掛かり」が、はっきりしてくるかもしれません。
直感は、意外と的を射ていることも多いものです。
 

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ケース2:親との会話② 


別の会話ケースでも考えてみましょう。 

親:就職活動はどうだ?順調か? 

あなた:小さなベンチャー企業だけど、色々挑戦出来そうで良いかなって。 

親:公務員は考えないのか? 


ここで親は、
①あるいは②の表情を示しています。 

※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。 

問題:
①、②それぞれのとき、親御さんの気持ちは何でしょうか?
 また、どんなアプローチがよいでしょうか?

解説:
①は眉が引き上げられています。興味・関心・驚きの表情です。
感情ニーズは先ほどと同じく「知りたい」です。
また、驚きは「意外なこと」に対して生じる感情です。

「公務員は考えないのか?」というセリフと合わせて考えると、親御さんは「なぜ安定した道ではなく、ベンチャーを選ぶのか?」という疑問をニュートラルな気持ちで抱き、「知りたい」と思っていると解釈できます。

この場合は、「安定よりチャレンジを選んだ理由」を落ち着いて説明してあげるとよいでしょう。 

②は、眉が中央に寄せられ、下がっています。これは「熟考」か「怒り」どちらかが疑われる表情です。
この眉間にしわが寄る動きは、考え込んでいるときにも、怒っているときにも共通して見られるため、文脈を考慮しないと区別が難しい場合があります。
熟考であればニーズは「よく考えたい」。怒りであればニーズは「障害を壊したい」です。

いずれにせよ、この場合は、ベンチャー企業を選んだ理由を「丁寧かつ慎重に」説明することがポイントです。
同じ説明をするにしても、「興味・関心・驚き」のときより、一段階ゆっくり・丁寧に話すイメージです。 

親御さんは、長年の人生経験から「選択を考え直したほうがいいのでは?」と感じているのかもしれません。

時代が変わり、親御さんの経験と今の時代が合わない部分もあれば、今でも通用する重要な視点もあるでしょう。
親御さんの「感情ニーズの波」に乗りながら就職活動を捉え直してみることは、決して無駄にはなりません。 

ではでは、実践を重ねて下さい。