こんにちは。カチメン表情監修の清水建二です。
私は、接客業に携わる方々やビジネスパーソン、俳優さんに表情の読み取り方や作り方を教えています。就職活動をする学生さんには、各種就職説明会の特設会場等の場で「自分の気持ちを面接官に効果的に伝える方法」を教えています。本コラムでは、表情に焦点を当て、表情研究の知見やセミナーで出会った就活生の声をもとに、就職面接で効果的に自分を表現するためのアドバイスを書きたいと思います。
記念すべき初回のテーマは、「眉」についてです。面接の場で、眉が何の役に立つのでしょうか。眉のチカラに注目です。
就職面接の本やセミナーで必ずと言ってよいほど、強調されること。それは、「面接官に好印象を与えるような笑顔をつくりましょう」というものです。もちろん、間違っていません。笑顔でハキハキと面接官の質問に答える就活生。理想的です。「こんな新入社員が入ってくれたら、さわやかで新しい息吹が社内に吹き込まれ、職場がパッと明るくなるだろうな~」なんて、面接官としては、想像してしまいます。
ただ、ちょっと待って下さい。
好印象を与える笑顔とは、どんな笑顔ですか?
それをどう作り、どう表現したらよいのでしょうか?
ずっとニコニコしていたらよいのか、ニコニコする適切な場面というものがあるのか?
つまり、好印象を与える笑顔をすべきタイミングというものがあるのか?
そもそも、面接では緊張していますし、笑顔の余裕なんて…。
そもそも、笑顔を作るのは、結構恥ずかしい…。
そう、笑顔はハードルが高い。
好印象を与える笑顔を作るのは、案外、難しいのです(近いうちにコラムで解説しますが)。
そして何より、笑顔になるのって、照れてしまうものなのですよね。
そこで、笑顔の前に、簡単に作ることができ、取り組みやすく、コミュニケーションを円滑にしてくれる表情を紹介したいと思います。それは、眉の上げ下げです。正確に書くと、眉を引き上げる動きと眉を引き下げ(かつ、中央に引き寄せ)る動きです。
本日は、眉を引き上げる動きについて解説します。
眉を目いっぱい引き上げてみて下さい。眉を、平行に、引き上げる。
カチメンのアプリ、携帯の写真機能、あるいは鏡で、自分の顔を映しながら、眉を引き上げてみましょう。
どんな表情になりましたか?
額に水平のしわが出来ていれば、その表情、正しく出来ています。
見本となる表情は、次の通りです。
いかがでしょうか?簡単に動かすことが出来、全然、恥ずかしくもないと思います。
この表情は、どんな意味でしょうか?
この表情をしていると、どんな感じが湧き起ってきますか?
眉を引き上げることで、上まぶたも引き上がり、視界が広くなったと思います。視界が広くなると、ものがよく見える。そう、この眉を引き上げるという動きは、目から得られる情報を積極的に吸収しようという働きがあります。端的に言うと、私たちが、興味関心を抱くとき、自然に動く表情、興味関心を意味する表情なのです。
この表情を面接の場で意識して動かします。
面接官の話を聞くとき、眉を引き上げることで、「あなたの話に興味関心があります」という印象を伝えることが出来ます。眉を引き上げる動きに加え、頷きも加えると、より印象が強まります。
面接官に話をするとき、眉を引き上げることで、「この話、興味関心を抱くポイントですよ」というシグナルを伝えることが出来ます。
それでは、眉を引き上げながら、目の前に話をしている面接官を想像し、次のセリフを言ってみましょう。
「そうなんですね!」
いかがでしょうか。
真顔でも言ってみて下さい。
「そうなんですね」
眉を引き上げるか、真顔か、全然印象が違うと思います。眉を引き上げて「そうなんですね!」と発することで、興味関心を印象付けることが出来ます。
それでは、次のセリフ。目の前に話を聞いている面接官を想像し、眉を引き上げながら発してみましょう。
「私の長所は、忍耐力です」
「忍耐力」と発するとき、眉を引き上げることで面接官の心に「忍耐力」という言葉が印象付けられます。
カチメンや鏡を使って練習するときは、まずはセリフなしで、眉を目いっぱい引き上げてみましょう。額にある筋肉を柔らかくするイメージで、眉を引き上げ、そのまま3秒キープして、戻す。これを繰り返します。
慣れてきたら、セリフを入れながら、眉を引き上げ、戻す。これを繰り返します。セリフは先のセリフでも良いですし、自分で用意したセリフでもOKです。興味関心を伝えたい言葉を発している間、眉を引き上げ、戻す。これを繰り返します。
さらに慣れてきたら、より実践的によりリアルに。眉を目いっぱい引き上げた状態を10とすると、7割くらいの力で行うとやり過ぎている感が出ず、ちょうどよい塩梅になります。眉を引き上げている時間は、1~2秒程度が普通です。この動きをセリフを入れながら、繰り返します。ただ、7割かつ1~2秒はあくまでも目安ですので、興味関心を伝えたい程度に応じて、臨機応変に動かすことが大切です。ではでは、練習頑張って下さい。