カチメン!就活監修の松原吉宏です。
今回は自分で練習するのが難しい、何をしたら対策ができるかわからない、という意見が多いGD(グループディスカッション)について解説します。ただ、GDのレベルアップは就活で筆記試験よりも時間がかかると考えています。日々できることを丁寧に行っていきましょう。
●GDは何を評価しているか
GDでは評価項目が定められている場合が多いです。
・積極性
発言が多いか、議論を進める際の行動が多いかの確認。
・客観性・具体性
具体性や客観性を問う以上に、感情的な意見や抽象的な話が多くないかの確認。
・協調性
積極性が行き過ぎていて配慮に欠けていないかどうかの確認。
・論理性
根拠を添えて発言できているかの確認。
・自信
自信を持って堂々と発言できているかの確認。
これらを採点されていると考えて下さい。
●GDレベルアップを実現する2つの軸で対策
GDの最大の難しさは何を聞かれるのかの予測がしにくいことです。
ESや面接は聞かれることがある程度は予測できます。
価値判断を図る質問である学生時代力を入れて取り組んだこと、勉強内容、長所などの対策は必須ですね。
一方で、GDは予測しにくいため、多くのことに対して意見が言えるようにする必要があります。
例えば、飲料業界だから飲料に関すること、企業の商品に関することが出題されるとは限らず、全く違う話も出ます。多くのことに対応できるように2つのことを心がけましょう。
1. 色々な情報に触れていくことで知識量を強化
知識があるほどに対策しやすいです。
また、知識がある=賢い、勉強熱心など自動的に良い評価を得られます。
知識や情報を盛り込んで話をする方法はGDに限らず面接などでも有利に働きます。
インターネットのニュース記事であれば1つの記事を読むと関連する記事が出てきます。
それをいくつか読んでいくと色々な考えに触れることができ、自然に疑問が出るなど考えが浮かんできます。
そこから分析的に考えるのがベストです。ただ、そこまでできなくても疑問になったことを調べる、友人や家族に意見を聞くなどでも構いません。
ベストを目指すことを喜んでいけるタイプはそのまま、それが苦しい人はまず、ベターを目指しましょう。
「何もしないよりもマシ」という感覚は就活だけでなく、社会人になっても広い範囲のことを学ぶ上で大切な考え方です。
2.常に理屈や仕組みに目を向けることや根拠を話せるように意識し、論理力強化
これにはこれ、それにはそれ、というポイントの対策ではどうしても応用力を付けるのが難しいです。
例えば、高齢者の運転免許返納の是非について。
「ああ、最近高齢者の事故が多いし、返納でいいよね。ニュースでも返納の話が多いのでそちらでいいかな。」
その目線になりがちです。
しかし、論理分析すると
・利便性が高い地域とそうでないところで事情が異なる
・実は高齢者の事故率が多いわけでなく、むしろ減っている(高齢者が多いので件数は多く出る)
・事故原因の1つは身体機能、認知機能の低下で高齢者だからという理由ではない。そうであれば、それらの機能をテストして問題なければ返納は不要と言える
これは1つの意見ですが、知識と論理があれば気づくことができます。この3つのうちの1つに気づくだけでも議論できちんとした意見を言いやすいです。
理屈や仕組みに目を向ければ、似たものに気づきやすくなります。また、意見を伝える以上、曖昧な話は感情論と判断され、評価されにくいです。面接も同じですが、特にGDでは周りに納得してもらうことも必要なため、論理性は重要です。
まずはニュースを見る、考える習慣を日常で増やしていきましょう。これは社会人になってからのほうがより大切な習慣です。
今回の例で言えば、まず、自分が感じることの逆の立場から考えるのもいいですね。「本当に免許返納は必要?」という仮説で、「不要としたらどういう条件だろう」という考えをしてみましょう。
こうした考えることを楽しんでいけると就活も楽しく進めていけますよ。